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膠原病内科
膠原病内科の紹介
当院では2015年より、京都府立医科大学附属病院から派遣された非常勤医により膠原病内科の専門外来診療を開始しました。その後、徐々に増加する紹介患者様へ対応するために、外来診療日を増やしてきました。これまで入院診療で寛解導入治療等が必要な膠原病患者様の多くは派遣元の京都府立医科大学附属病院で入院治療をしていただいていました。2024年4月から当院に常勤医が2名赴任し新しく膠原病内科が設立され、地域の皆さまに当院でより専門的な診療をご提供できる体制が整いました。患者様が住み慣れた地域で安心して治療を継続いただけるように努めてまいります。
診療対象疾患
膠原病内科では、関節リウマチ、脊椎関節炎をはじめ、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、血管炎、炎症性筋疾患、成人スティル病、ベーチェット病、IgG4関連疾患など、筋骨格系や全身に異常を生じる自己免疫疾患を幅広く診療しています。これらの疾患は、発熱、食欲不振などの全身症状に加え、皮疹、関節痛、肺疾患、腎炎、神経障害など、多彩な症状が現れることがあります。
検査
当科では、膠原病全般の診療をしており、特に未診断の関節炎や難治性の関節炎の診療に力を入れています。病歴、診察に加え、レントゲン検査、関節エコー、造影MRIなどの画像検査を用いて、滑膜炎、付着部炎などの評価・診断を行っています。特に、当院のエコー室にはハイエンドの超音波機器が導入されており、通常のエコーでは評価が難しい付着部炎の評価も簡便に行えます。筋肉の炎症を詳しく調べるために筋生検が必要と判断された場合は、安全な実施のために、必要に応じて京都府立医科大学附属病院等の連携施設で一時的な入院をご提案する場合があります。
治療方針
治療においては、患者様一人ひとりの状態を丁寧に把握し、併存疾患などを考慮した上で、個別の治療計画を立てています。ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤、分子標的治療薬など、多様な薬剤を用いて、副作用を最小限に抑えながら、最適な医療をご提供いたします。関節リウマチの治療においては、最新の診療ガイドラインに基づいた治療を基本とし、TNF阻害薬、アバタセプト、IL-6阻害薬、JAK阻害薬など、患者様の病状や希望に合わせた治療が可能です。また、高齢の患者様や複数の疾患をお持ちの患者様に対しても、各科の医師や多職種と連携しながら、総合的な治療アプローチを行っています。
地域医療連携
福知山市民病院は、京都府北部地域における地域基幹的病院としての役割を担っており、地域で唯一の膠原病内科常勤医が在籍する入院診療可能な総合病院です。関節痛や原因不明の症状が続き、膠原病が疑われる症状のある場合は、まずはかかりつけ医にご相談の上、当科への紹介をご検討いただけますと幸いです。
診断や初期治療、病状が不安定な時期の治療は当院で専門的に行い、症状が安定した患者様につきましては、お近くの「かかりつけ医」の先生と連携して治療を継続していただく「逆紹介」も積極的に行っています。これにより、患者様がより身近な場所で安心して治療を続けられるよう、地域全体で患者様をサポートする体制を目指しています。地域内の医療機関と密接に連携し、患者様が安心して治療を受けられるよう努めてまいります。
今後の展望
今後も、福知山市域および近隣地域の医療機関との連携をさらに強化し、より広域の患者様にも質の高い膠原病・リウマチ診療を提供できるように努めてまいります。また、将来の地域医療を担う若手医師の育成にも力を入れ、地域全体の医療レベル向上に貢献してまいります。
外来診療のご案内
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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14診 | 午前 | 中西 | (他科) | 中西 | 篠原 |
大村 |
午後 | 篠原 | (他科) |
予約について
当科は原則予約制です。初めて受診される方は、かかりつけ医からの紹介状をお持ちの上、事前にご予約ください。予約については地域医療連携室までお問い合わせください。
ご紹介いただく地域の先生方へ
日頃より大変お世話になっております。診断や治療方針にお悩みの関節痛、膠原病・リウマチ性疾患が疑われる患者様(原因不明の発熱や皮疹、筋痛など)がいらっしゃいましたら、お気軽にご紹介ください。
ご紹介の際は、お手数ですが地域医療連携室を通じて、当科外来の予約をお取りいただきますようにお願い申し上げます。病状が安定した患者様の逆紹介についても、ご協力いただけますようにお願い申し上げます。先生方と緊密に連携しながら、地域医療に貢献してまいりたいと存じます。
担当医師
ナカニシ ユウイチロウ 中西 優市郎 (膠原病内科医長) |
最終学歴 | 自治医科大学 平成23年卒業 |
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専門分野 | 内科学、膠原病・リウマチ学 | |
専門医・認定医等 | 日本内科学会認定内科医 日本内科学会総合内科専門医 日本内科学会指導医 日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医 |
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診療についてのモットー | 患者さんの意向に配慮してエビデンスに基づいた診療を実践し、明確な答えがない場面でも納得解を見つける努力をします。 | |
シノハラ タカユキ 篠原 鷹之 (膠原病内科専攻医) |
最終学歴 | 京都府立医科大学 令和4年卒業 |
診療についてのモットー |
患者さん一人一人に真摯に向き合って診療にあたります。 |
招聘医師 | ||
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大村 知史(オオムラ サトシ) | 膠原病内科(京都府立医科大学より招聘・リウマチ専門医) |