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 放射線治療

印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 更新日:2022年11月25日更新
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患者の皆さまへ

 放射線治療は手術や薬物治療と並ぶがん治療の三本柱のひとつです。放射線治療は手術と同じく患部のみの治療ですが、手術とは異なり患部を切らずに治療します。そのため効果や副作用は放射線の照射範囲に限られ、かつ体の機能や形態の温存に優れており一般に体への負担が少ない治療です。外科治療や薬物療法と組み合わせて根治を目指したり症状を和らげたりと、放射線は全身のがん治療に幅広く使用されています。がんの種類や進行状況、患者さんの体力や希望に応じて治療を行っており、高齢者や合併症を有する方への治療も可能です。また近年の照射技術の進歩によって従来よりもさらに精度の高い放射線治療が可能になり、効果は高く副作用は少ない治療を行えるようになりました。

 当院は北近畿で唯一の高精度治療や小線源治療が可能な放射線治療施設です。そのため当院は院内だけでなく近隣の病院から多くの患者さんをご紹介いただき、院内外で連携してハイレベルな治療を提供しています。なお完全紹介制のため院外からの治療依頼は、担当の先生から地域医療連携室を通じてお願いしています。外来通院での治療が基本ですが、入院を希望される場合は相談させていただきます。

 また陽子線や重粒子線など粒子線治療が必要な場合は実施可能施設へ紹介します。

放射線治療の流れ

 放射線治療の流れは(1)診察 (2)治療計画用のCT撮影 (3)治療計画 (4)放射線治療 となります。

 月曜〜金曜まで診療を行っており、土日・祝日は休みです。

(1)診察

 診察や検査の結果をもとに放射線治療の適応を判断し、治療方法や効果・副作用を説明して同意を得られれば放射線治療の開始時期を決定します。

(2)治療計画用のCT撮影

 放射線治療は仰臥位で行われる事が大半で、かつ治療時は毎回同じ姿勢をとる必要があり、姿勢を決めてからCTを撮影します。放射線を照射する場所によっては体を固定するために固定具を作成することがあります。

(3)治療計画

 治療計画用のCTをもとに放射線治療医が計画を作成し、作成した計画の検証を医学物理士や放射線技師が行います。診察から放射線治療開始までの期間は早ければ翌日、複雑な計画であれば安全かつ確実に治療ができるか確認が必要となり、治療開始まで1〜2週間ほどのお待ちいただくことがあります。

(4)治療

 治療は土日祝日を除いて毎日行います。放射線が照射されるのは1-2分ですが、照射位置の固定などに時間が必要で、1回の治療時間は約10分です。IMRTやSRTなどの高精度治療では約15〜40分かかることもあります。放射線の照射中は台上で動かずに安静を保っていただく必要があります。放射線は目には見えず、治療中に放射線を感じることはありません。治療回数は疾患によってさまざまです。後述する小線源治療に関しては子宮頚癌は毎週月曜、前立腺癌は泌尿器科と水曜日に行っています。
 他には根治は厳しくても痛みや出血・息苦しさなど症状を改善する緩和照射や、血液疾患への全身照射、前立腺癌に対して放射線医薬品を注射するゾーフィゴ治療なども行っています。

外部照射

 X線や電子線を用いて外部から放射線を照射する方法です。2019年より稼働したVersa HDはエレクタ社で最高峰の装置で、3種類の強度のX線と5種類の電子線が使用できます。FFF(Flattening Filter Free)導入により従来より短時間で高線量を投与することで、治療時間の短縮に役立っています。

外部照射装置の画像

外部照射の装置2

(1)画像誘導放射線治療:IGRT(Image-Guided Radiation Therapy)

 体の表面から病巣は見えないことがほとんどですが、放射線治療は病巣へ正確に照射することが大切です。当院では治療時のCTや体表面から体内の病巣の位置を把握し、高精度の放射線治療を行っています。

(2)定位放射線治療:SRT(Stereotactic Radiation Therapy)

 体の位置を固定することでミリ単位の高い精度での治療が可能になり、数日~2週間以内の短期間で強い線量を照射して病巣の根治を狙います。以前は脳や肺・肝臓が主な対象でしたが、骨や少数個の転移も適応になるなど年々役割は広がっています。当院では肺や肝臓など呼吸で動く臓器には前述のFFFを用いて息止め照射を行うことで、従来より治療の時間は短くなり、また副作用の低減が可能になります。さらに照射中に腫瘍の位置を確認しており、精度は高く副作用をより少なくする治療を行っています。また脳の治療ではダブルシェルシステムで適切な頭部の固定を行い、VMATの技術を応用して一度に複数の部位への照射が可能です。

放射線治療説明画像1

放射線治療説明画像2

放射線治療説明画像3

(3)強度変調放射線治療:IMRT(Intensity Modulated Radiaton Therapy)

 最新の技術を用いて病巣へ必要な線量を照射しながら、照射範囲近くの正常臓器への線量を通常の照射よりも減らします。それによって高い治療効果と副作用の低減が期待できます。最新機器の導入によりIMRTをより発展させたVMATで治療時間を短縮し、前立腺や頭頚部以外に肺や腹部など全身の病巣に応用しています。

IMRT
IMRTの説明画像

通常照射
通常照射の説明画像

小線源治療

 主な適応は子宮頚癌と前立腺癌で、当院は北近畿唯一の小線源治療施設です。

 子宮頚癌は京都府立医科大学からの招聘医師のもと、週1回イリジウム(Ir-192)によるリモートアフターローディングシステム(RALS)という専用の装置で小線源治療を行っており、外部照射や化学療法と組み合わせて手術に匹敵する効果が期待されます。

 昔の二次元的な照射ではなくCTを用いて計画し(IGBT)、通常の腔内照射だけでは効果が不十分な例には組織内照射を併用することで(ハイブリッド照射)、膀胱や直腸の副作用を減らして病巣により効果の高い治療を実現しています。

 前立腺癌は当院のIMRTでは約6週間(28回)の通院が必要ですが、医療圏が広いため継続した通院が困難な患者さんもおられます。当院では写真のような米粒大の線源を前立腺に留置する密封小線源治療を行っています。治療時間は3時間ほどで、入院期間は2泊3日と短く、長期間の通院が困難な方々に役立っています。また小線源・外部照射・内分泌療法を組み合わせたtrimodalityは外部照射よりも治療効果が高いです。直腸出血が稀に起こるため、その頻度をさらに減らすため小線源治療の術中にスペーサー(Hydrogel)を留置しています。このスペーサーは3ヶ月間維持され、6-12ヶ月で自然吸収されます。

小線源の説明画像

小線源治療に用いる機器の画像

治療実績

区分別の治療実績(2021年度)

区分別治療実績

2021年度の区分別治療件数
部位名 件数
呼吸器 85
泌尿器 75
消化器 52
乳腺 35
血液 33
婦人科 19
頭頚部 19
その他 28
346

治療方法別の治療実績(2019年度~2021年度)

治療方法別の治療実績

治療方法別の治療実績(2019~2021)
  2019年度 2020年度 2021年度
その他 246 221 191
IMRT 61 93 102
SRT 7 30 53
314 344 346

 


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