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リハビリテーション科
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特色 / 診療内容 / 訓練成績 / 士長の挨拶 / 各部門紹介 / 今後の方針 / 学会学術活動 / 担当医師
特色
京都北部から兵庫北部の広域におけるリハビリテーションサービスの担い手として、大江分院と共に連携を図りながらその責務にあたっています。
リハビリテーションの重要性が高まる今日、当院では平成18年の全面改築後、理学・作業・言語の各療法部門の増員と共に、回復期リハビリテーション病棟の新設、外来型心臓リハビリテーションの開設、がんリハビリテーションを始めとする緩和医療の充実等、幅広いリハビリテーションサービスの提供を心掛けています。
診療内容
本院の届出施設基準
- 脳血管疾患等リハビリテーション料(1)
- 運動器リハビリテーション料(1)
- 廃用症候群リハビリテーション料(1)
- 呼吸器リハビリテーション料(1)
- 心大血管疾患リハビリテーション料(1)
- がん患者リハビリテーション料
- 回復期リハビリテーション病棟入院料1
訓練実績
令和5年度 業務実施割合
令和5年度 業務実施件数
【急性期】 | 脳血管 | 運動器 | 廃 用 | 呼 吸 | 心 臓 | が ん | 小 児 | その他 | 合 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
理学療法 | 6,065 | 10,151 | 4,648 | 3,691 | 3,112 | 13,428 | 278 | 2,817 | 44,190 |
作業療法 | 4,204 | 5,303 | 243 | 232 | 96 | 1,313 | 8 | 520 | 11,919 |
言語療法 | 2,507 | 0 | 147 | 577 | 0 | 218 | 44 | 4 | 3,497 |
【回復期】 | 脳血管 | 運動器 | 廃 用 | その他 | 合 計 |
---|---|---|---|---|---|
理学療法 | 5,263 | 10,455 | 980 | 536 | 17,234 |
作業療法 | 5,335 | 2,444 | 347 | 105 | 8,231 |
言語療法 | 3,242 | 0 | 56 | 1 | 3,299 |
【外 来】 | 脳血管 | 運動器 | 廃 用 | 呼 吸 | 心 臓 | 小 児 | その他 | 合 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
理学療法 | 628 | 5,627 | 60 | 15 | 1,032 | 560 | 71 | 7,993 |
作業療法 | 406 | 3,882 | 0 | 0 | 0 | 854 | 0 | 5,142 |
言語療法 | 249 | 0 | 10 | 20 | 0 | 662 | 19 | 960 |
士長の挨拶
私たちリハビリテーション科は、当院の基本理念「命と健康を守り、信頼される病院」を胸に、地域の皆様のお役に立てることを使命としております。0歳から100歳以上までどの年齢層においても疾患を問わず、また急性期から回復期を経て慢性期まであらゆる病期において、必要とされている患者様すべてに対して、真心を込めたリハビリテーションを提供できるよう努めて参ります。また、それぞれの患者様が退院された後、地域でその方らしく暮らしていくにはどうすれば良いかという事を常に見据え、他職種と協働し、患者様中心のリハビリテーションを行えるよう全力を注いで参ります。
各部門紹介
理学療法部門 |
作業療法部門 |
心リハ部門 |
スタッフ数(令和6年4月現在):医師1名 理学療法士41名 作業療法士15名 言語聴覚士5名
理学療法部門
身体に障害のある方に対し、検査、測定による評価結果に基づき、運動療法により筋力、関節可動域、協調性といった身体機能の改善や、物理的手段を用いて疼痛、循環などの改善を図ります。その上で、起きる、座る、立つ、歩くなどの基本的動作を行うことで運動機能の回復や日常生活動作を改善するための治療や指導を行い、早期の家庭生活復帰を目指します。そして社会生活を送る上で必要な福祉用具の選定や環境調整なども行います。
作業療法部門
食事・着替え・整容・トイレ・入浴といった日常生活で必要となる動作練習や、様々な作業活動を通して、脳機能や身体機能の回復を可能な限り目指していきます。必要に応じて福祉用具や自助具の選定や、家事・仕事・余暇活動などの生活関連活動においても提案・指導を行い、その人らしい生活が維持・向上されるように支援していきます。
言語療法部門
成人では、脳血管障害の後遺症により(聴く・話す・読む・書く)の言語機能のいずれかに障害が残る失語症、呂律に障害が残る運動障害性構音障害に対する評価・訓練・支援を実施しています。また、話し言葉だけで伝わりにくい場合は、イラストや文字盤などを使用した代償手段も提案させていただいています。その他、食べる事や飲み込みに障害が残る摂食・嚥下障害に対する評価・訓練・支援を実施しています。患者様に合った食事形態や水分のとろみの濃度、姿勢評価を行い、指導しています。小児では、言葉の遅れがみられる言語発達遅滞や言葉をスムーズに発することが難しくなる吃音、機能性構音障害、摂食嚥下障害のお子様に対して検査・訓練・支援を行っています。
各ユニットチーム別紹介
回復期リハビリテーション
回復期病棟では、脳血管疾患または整形疾患等の患者様に対して、集中的にリハビリテーションを提供することによって、「起きる、食べる、歩く、トイレに行く、お風呂に入る」など「日常生活動作」の向上を図り、家庭や社会に復帰することを目標にしています。当院では、多くの専門職でチームを組み、患者さま・家族さまの思いに寄り添い、支援を行っています。
令和2年度より回復期リハビリテーション病棟入院料1を取得しています。
- 対象となる疾患
脳血管疾患、運動器疾患など急性期治療を終えて身体機能回復を必要とし、在宅への復帰が目標となる患者様
緩和リハビリテーション
がんの治療のために入院された患者様に対するリハビリを行っています。院内・院外の多職種で連携して、手術、化学療法、放射線療法を受ける患者さまの身体機能が低下しないように行う予防的なリハビリと、病気の進行とともに低下した生活の質の維持や、病気による痛みや怠さを和らげることを目標とした維持的なリハビリとを行っています。
- 対象となる疾患
がんと診断されて、外科手術・化学療法・放射線療法などの治療のために入院され、在宅への復帰が目標となる患者様 - がんリハビリテーション研修修了者
理学療法士21名 作業療法士6名 言語聴覚士1名
心臓リハビリテーション
当院の心臓リハビリテーションは患者様がセルフケア(自己管理)を行えるようになることを目標に、患者様ごとの個別運動指導、安全管理、危険因子管理、心のケアなどを総合的に行っています。加えて、再入院や再発を予防し、質の高い生活を送れるようになることを目指しています。循環器医師をはじめ様々な職種と連携しながら患者様一人ひとりの状態に応じた心臓リハビリテーションプログラムを提案、実施致します。その他に京都府立医科大学附属病院と連携した取り組みや患者様参加教室の開催・地域と連携した会の開催など、様々な取り組みも実施しています。
- 対象となる疾患
急性心筋梗塞、狭心症、慢性心不全、大血管疾患、末梢動脈閉塞性疾患など - 心臓リハビリテーション指導士
理学療法士4名
心臓リハビリテーションの様子 |
心臓リハビリテーション多職種カンファレンスの様子 |
呼吸リハビリテーション
呼吸リハビリテーションとは、呼吸に関する筋力の向上や手足の筋力強化、胸郭や呼吸に必要とされる筋肉や靱帯の柔軟性の維持・改善などを目的にリハビリテーションを行います。生活面での呼吸困難感の軽減や、日常の家事や趣味を営むために必要な体力面の強化を図りながら普段の生活を豊かにするための援助を含めたリハビリテーションです。リハビリテーションとしては、筋力トレーニングだけでなく、正しい呼吸方法やご自宅でも続けられるセルフトレーニングの方法など、患者様・家族様と一緒に考えながら進めていきます。また術後や発症直後から呼吸器管理の患者様などに対して、早期からリハビリテーションを実施することで入院期間の短縮や、入院による活動量の低下から起こる筋力低下など、入院することで起こる可能性のある合併症を予防することにも努めています。
- 対象となる疾患
肺気腫、慢性気管支炎、肺炎(間質性)、結核、肺嚢胞、食道や肺の術後、人工呼吸器装着患者、重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症など
小児リハビリテーション
小児部門は、主に外来に対して運動・言語・社会性などの発達に関する問題や不安を抱えるお子さんに対し、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による個別に対応したリハビリテーションを提供しています。小児科医師と連携をとりながら楽しくリハビリをしています。また、地域社会へのスムーズな移行が出来るよう、近隣の保育園・幼稚園・小中学校等との連携を取りながら支援を行います。
- 対象となる疾患
自閉症スペクトラム症、注意欠如・多動症、染色体異常、脳性麻痺、発達性協調運動障害、知的発達症、言語症、その他運動発達の遅れなど
訪問リハビリテーション
当院の訪問リハビリテーションは、退院後不安を抱える一人でも多くの方に安心して在宅生活を過ごしていただけるよう療法士が自宅に訪問し、身の回り動作の向上・趣味や生きがい・社会参加へのサポート、またご家庭への介護方法・住宅改修や福祉用具のアドバイスも行っています。医療・介護・福祉に関わる多職種と連携し、急性期から回復期そして在宅生活への継ぎ目のないサービスを提供いたします。
その他の業務紹介
スポーツリハビリテーション
スポーツリハビリテーションでは、小・中・高校生~成人を対象としてスポーツに起因する外傷や障害に対してリハビリテーションを展開しています。オリンピックレベルから学校のクラブ活動・レクレーションレベルまで様々なレベルの方に合わせ、競技復帰できるようサポートする事を目標としています。患者様の競技復帰に向け、各専門の整形外科医およびスポーツドクターと連携し回復過程に合わせたトレーニングを提供・実施しています。
- 対象となる疾患
膝前十字靭帯損傷などの靭帯損傷、半月板損傷、足関節捻挫、肉離れ、アキレス腱断裂、腰椎分離症、野球肩、野球肘、骨折、脱臼 など
中丹西地域リハビリテーション支援センター
当院では平成20年に京都府より制定を受け、福知山市内の病院や施設・事業所に在籍するリハビリテーション専門職と連携し運営しています。リハビリを必要とするすべての方が住み慣れた地域で安心してその人らしく生活が送れることを目的に、リハビリ専門職が事業所や自宅を訪問し助言や指導を行っています。また研修会や事例検討会も開催しています。
専門・認定療法士
- 脳卒中認定理学療法士 1名
- 運動器認定理学療法士 1名
- 呼吸認定理学療法士 1名
院内チーム医療活動
当院ではチーム医療を実践するために、院内の専門職チームの取り組みにもリハビリテーション科が参加し院内での活動を行っています。
- 転倒予防チーム
- 緩和ケアチーム
- 家庭医療チーム
- 認知症チーム
- NST(栄養サポートチーム)
- RST(呼吸ケアサポートチーム)
- 糖尿病チーム
- 心臓リハビリテーションチーム
- 腎不全サポートチーム
- 骨折リエゾンサービスチーム
院外活動
- 京都府リハビリテーション支援事業
- 福知山市年中児サポート事業
- 福知山市健康増進事業
- 福知山市認定審査会
- 京都府リハビリテーション専門職受け入れ研修 等
新入職者教育
当科では、入職してから3年間を新人研修期間と定めて、社会生活に必要な接遇や、この地域の現状・社会保障制度など、「京都府北部地域」の特徴を理解してもらいながら、地域住民に求められるリハビリテーションが提供できる人材の育成を目標にしています。個々の臨床能力を高める為に、各疾患別のユニットチームを年度毎に横断的に経験してもらいながら、治療に必要な幅広い知識と経験ができるような体制を整えています。
また、科内の定期勉強会では、院外講師を招聘して最新の知見を学ぶ機会や、症例報告会等を積極的に行うなど、臨床経験を通してより良いリハビリテーションが提供できるような取り組みを行っています。
その他、卒後教育の一環として理学療法士協会、作業療法士協会で新生涯教育プログラムが開始されています。当院では京都府北部の基幹病院として卒後教育の充実を図るため、この教育プログラムの実地研修施設に認定されています。
- PT・OT・ST養成施設教員等講習会修了者 1名
臨床実習生の受け入れ(臨床実習教育)
当科では卒前・卒後教育を重視しており、臨床実習教育にも積極的に取り組んでいます。実習は日本理学療法・作業療法士協会の臨床実習ガイドラインに準じて行っています。臨床現場と学校機関が相互理解のもと、臨床実習生に負担の無い、ここで学んで良かったと思ってもらえるような臨床教育を目指しています。 当院での臨床実習は、地域の基幹病院として求められている地域リハビリテーションに触れるだけでなく、急性期・回復期・訪問でのリハビリテーションを体験しながら、臨床に興味を抱いてもらえるようサポートをしていきます。
- 臨床実習指導者講習会修了者
理学療法士14名 作業療法士3名 (令和6年4月現在)
今後の方針
今後ますますこの地域でも介護・福祉の充実とともに、リハビリテーションの必要性は高まるものと考えています。地域の皆さまのニーズに対応していけるよう、それぞれの職域で専門性を追求し、個々の患者様に適したきめ細やかなリハビリテーションサービスが提供できるよう、スタッフ一同努力してまいります。
学会学術活動
日本理学療法士協会・京都府理学療法士協会・日本作業療法士協会・京都府作業療法士協会・日本言語聴覚士協会・京都府言語聴覚士協会・日本心臓リハビリテーション学会・日本循環器学会・日本ケアリハビリテーション学会・日本呼吸療法医学会・日本高次脳機能障害学会・日本リハビリテーション医学会・日本摂食嚥下リハビリテーション学会・精神発達障害指導教育協会
担当医師
コマキ トシユキ 小牧 稔之 (診療部長兼医長) |
最終学歴 | 鳥取大学医学部 平成2年卒業 |
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専門分野 | リハビリテーション・消化器内科 | |
専門医・認定医 | 日本消化器病学会指導医 日本消化器内視鏡学会指導医 日本内科学会認定医 |
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診療についてモットー | 優しく 厳しく |