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日本鬼師の会設立30年を迎えました
日本鬼師の会は、世界に誇り得る「日本の鬼瓦」を創造し発展させ、より良い鬼瓦、価値ある鬼瓦をめざすために全国の鬼師が結束した組織です。
福知山市大江町が鬼伝説をいかしたまちづくりを展開する中で、鬼の悪役イメージを払拭するため、守護神である鬼瓦に注目し、匠の技を有する鬼瓦製作者「鬼師」に協力していただく中で、全国の鬼師が交流し、平成3年に日本鬼師の会が発足しました。
日本鬼師の会については、こちらを御覧ください。
鬼瓦とは
古来より、日本人は鬼に畏敬の念を込め、崇めてきました。その象徴の1つが屋根瓦の棟端を飾る通称「鬼瓦」と呼ばれるものです。人々は、「鬼瓦」を棟端に飾ることで、雨水対策といった機能性に加え、祝福神・除災の意味を込めてきたと言われています。
鬼師とは
「屋根の上からギョロリと睨みをきかせる鬼瓦 瓦職人の中でも、特に鬼瓦を造る職人たちを「鬼師」と呼びますねん…」小林章男(日本鬼師の会初代会長)
これまでの主な取組
平成3年2月10日に日本鬼師の会が発足してから30年が経過しました。これまでの主な取り組みを紹介します。
年 | 内容 |
---|---|
平成2年 | 大江山鬼瓦公園屋根付き鬼の回廊建設協力 |
平成6年 | 平成の大鬼・青海波唐破風建設 |
平成11年 | 東京浅草寺旧本堂鬼瓦復元(江戸東京博物館3階広場) |
平成18年 | 福知山城天守閣鯱瓦復元・一対のうち一体を福知山城公園に設置 |
平成19年 | 福知山城天守閣鯱瓦復元・一対のうち残り一体をJR福知山駅構内に設置 |
平成22年 | 福知山市立げん鬼保育園の鬼の飾り物を制作 |
平成22年 | 宮川橋の親柱4本に阿吽の鬼面瓦を寄贈 |
平成23年 |
鬼面モニュメント設置(大江山鬼瓦公園)にかかる設計監修及び鬼面瓦制作 |
平成24年 | 青海波唐破風瓦を再制作 |
平成25年 | 平成の大鬼補強作業 |
平成28年 | 「お城の鯱」復元10周年記念事業 鬼文化の伝承『鬼師小林章男の鬼瓦の世界・瓦の魅力』 開催 |
大江山鬼瓦公園屋根付き鬼の回廊建設協力
京都丹後鉄道大江駅前に広がる大江山鬼瓦公園は、全国の鬼を愛する人たちにより作られました。中でも「屋根付き鬼の回廊」は、全国の鬼瓦製作者「鬼師」の集大成ともいえる鬼瓦が72個、三州・淡路・石州の屋根瓦に囲まれて鬼伝説のまちを見守っています。
大江山鬼瓦公園については、こちらを御覧ください。
制作の様子
平成の大鬼建設
日本の鬼の交流博物館の前庭に立つ、高さ5m、重さ10トンもある日本一の大鬼瓦です。
鬼瓦を130パーツに分割し、日本各地の鬼師が各地の土を使い、各地の焼成技法を用いて制作し、大江山の麓で1つに組み上げました。
ブロック割について
制作に関わる研修会・組み立ての様子
青海波唐破風(せいかいはからはふ)建設
青海波唐破風瓦について
「竜」「雲」「波」をデザインした大分県豊後地方特有の装飾瓦です。
日本鬼師の会発足5年目の記念行事として、日本鬼師の会第1回研修大会(大分県)で展示されていた「青海波唐破風」を制作してはどうかと提案があり、平成6年当時、ただ1人の制作技法継承者で日本鬼師の会員であった生野盛(しょうのさかん)氏が制作しました。
制作の様子
福知山城天守閣鯱瓦復元
福知山城天守閣鯱瓦を身近に見てもらおうと復元に取り組みました。福知山城については、こちらを御覧ください。
制作の様子
青海波唐破風瓦再制作
平成6年設置の「青海波唐破風」の経年劣化による破損が著しく、延べ人数50人の鬼師が再制作・設置を行いました。
制作の様子
設立15年記念 「阿修羅大王」
日本鬼師の会設立15年を記念して製作された阿修羅大王は、福徳の加護に預かるようにとおもいが込められています。瓦の燻し銀をいかすため、牙、首飾り、腕輪に金箔が施してあります。
製作者・彩色者
製作:小林章男氏(日本鬼師の会初代会長)
彩色:西村潤子氏(文化財修復彩色家)