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(仮称)福知山鉄道館ポッポランド建設事業
建物の老朽化等により休館している福知山鉄道館ポッポランドについて、施設の建設資金及び運営資金として2億円の寄附を頂いたことを受け、福知山城公園親水広場内に歴史継承などや観光誘客の拠点となる施設として、令和5年夏のオープンを目指し取り組んでいます。
目次
1.福知山と鉄道
2.福知山鉄道館ポッポランド1号館
3.新しい鉄道館建設への経過
4.建設予定地
5.施設概要
-1.位置付け
-2.イメージパース
-3.展示・体験型コンテンツ
-4.整備費用
-5.収支シミュレーション
-6.事業工程・進捗状況
6.鉄道館企画会議
7.愛称及びロゴデザイン案 (募集中)
8.Q&A
1.福知山と鉄道
本市は、豊富な森林資源をはじめ、由良川水系により育まれた豊かな自然環境に恵まれているとともに、明智光秀ゆかりの福知山城と城下町、社寺や遺跡、古道、大江山の鬼伝説など、数多くの歴史的文化遺産を受け継いでいますが、その背景には、山陰道や由良川を通じた交流・交易の要所として人やモノ、そして情報や文化が行き交うことで発展してきた歴史があります。
特に、その歴史の中で本市の発展を大きく牽引したのが鉄道であり、明治32年(1899)に阪鶴鉄道が大阪と福知山南口間で開業して以降、鉄道網の形成が進み、国営事業であった国有鉄道事業が昭和24年(1949)に公共企業体である日本国有鉄道へと姿を変える際には、本市が丹波・丹後・但馬・若狭の中央にあり、経済や交通の中心地となっていたことや、熱心な誘致活動が行われたこともあり、全国27鉄道管理局のうちの一つが設置されました。当事、管理局は京都府・兵庫県にまたがる北近畿の国鉄線444.8kmを管轄し、昭和40年(1965)頃には5,700人以上の職員を擁し、駅の周辺には鉄道病院や職員庁舎が立ち並び、職員やその家族が飲食店や商店街を利用することでまちを飛躍的に発展しました。
大正12年(1923)に、福知山と大江町河守間の12.4kmの営業を開始した北丹鉄道も、大江町の人々の通勤・通学や、大江山にあった河守鉱山の鉱石輸送などの役割を担い、地域の発展の一助を担いました。
現在でも本市は、鉄道においてはJR山陰本線、JR福知山線、京都丹後鉄道宮福線が、また、広域幹線道路においては京阪神と北陸地方を結ぶ近畿自動車道敦賀線(舞鶴若狭自動車道)のインターチェンジが通り、広域交通の要衝となっているとともに、国道9号線をはじめとする各国道は、他地域との交流・連携を促進する幹線道路として、地域生活を支える重要な路線となっており、また、丹波・丹後・但馬の自然(海・山・里)や文化など資源が豊かな地域(街)や、京都市や大阪などの大都市にもアクセスしやすく、産業・観光業等多分野において本市の強みとなっています。
2.福知山鉄道館ポッポランド1号館
福知山鉄道館ポッポランド1号館(平成30年末から休館中)は平成10年(1998)9月、『空洞化する中心市街地の活性化を図るため、福知山駅から福知山城、各市街地商店街の回遊性を図る一つの拠点として、福知山市の産業の牽引車である鉄道をテーマとした物販と展示を中心とした施設を開設し、子どもからお年寄りまで幅広い層の集客の一拠点をつくる。また、鉄道の街福知山をアピールする情報基地として、鉄道を愛する人々の交流の場とし、中心市街地のまちなか再生の起爆剤とする。』施設として開館しました。
施設入口は北丹鉄道の駅舎の内装を再現しており、中に入ると国鉄や北丹鉄道に関する制服や写真、プレート、切符など500点を超える資料を展示していました。
特に、1号館の目玉展示物としてSL動輪及びNゲージジオラマ模型があります。
SL動輪は、実際に福知山管内を走行していた蒸気機関車C5793号の第三動輪で、その直径は170cmもあり、迫力ある鋼鉄の芸術品が入館者を出迎えてくれました。直接、手で触れることができることも好評でした。
Nゲージジオラマ模型は、高架前の福知山駅周辺を再現した幅12m*奥行2mの模型です。Nゲージとは縮尺150分の1(新幹線車両は160分の1)サイズの鉄道模型で、1号館ではコンピューター制御によりジオラマ模型の中の線路を走行させることができ、子どもはもちろんのこと、当時を懐かしむ大人からも人気の展示物でした。
運営面では、福知山鉄道館ポッポランドが開館した翌年度に、福知山鉄道館ポッポランド2号館(蒸気機関車C5856号を静態展示)が開館したことで、平成11年度(1999.4~2000.3)には3万人近い入館者が訪れていましたが、その後は入館者数が減少していました。
そうした中、平成26年度(2014.4~2015.3)には旧国鉄OB等で組織する福知山鉄道館ポッポランド運営委員会(西日本鉄道OB会に所属するメンバー有志等により構成された組織)が運営を引継ぎ、当時の機関区の様子などを聞ける「語り部」が人気を呼び、一時、1万人を割っていた入館者が平成29年度(2017.4~2018.3)には2万人を越えるまでに回復していました。
しかし、福知山鉄道館ポッポランドは、昭和6年(1931)築造の鉄骨鉄筋コンクリート造5階建ての1階で開館していましたが、建物自体が建築から80年以上が経過し、老朽化に加えて耐震上の問題があり、不特定多数の人が出入りする施設としては安全上問題があるため、平成30年(2018)3月末をもって休館しました。
3.新しい鉄道館建設への経過
平成30年3月28日
「福知山鉄道館ポッポランド1号館の早期再開設を求める請願書」が市議会全議員賛成で採択
平成30年3月31日
福知山鉄道館ポッポランド1号館が休館
平成30年6月4日〜6月22日
「 鉄道のまち」「福知山鉄道館ポッポランド」に関するアイデアなどを市民から募集
平成30年7月〜11月
関係団体や市民公募委員からなる「福知山鉄道館ポッポランドのあり方検討委員会」を設置
11月までに8回の会議及び視察を実施
平成30年12月5日
検討委員会より提言書受理
(検討委員会経過及び提言書はこちら)
令和元年7月26日
「文化的価値が失われるのは惜しい」と、新しい鉄道館の建設及び運営資金として、2億円の寄附申出について公表
令和元年7月以降
関係団体等、様々な関係者に意見を聴取
令和元年12月18日
次の要件が付された寄附金の受入を市議会全議員の賛成で可決
1.建設場所はゆらのガーデン近接地とすること
2.「浅田章介記念館」をサブタイトルとして銘記すること
3.建設にあたっては設計段階よりポッポランド関係者をメンバーに加えること
4.展示内容は休館中の福知山鉄道館ポッポランド1号館の移行展示ではなく、
集客に十分配慮及び工夫した新しい施設となるよう配慮すること
令和2年6月〜
寄附の要件を踏まえ、地元説明会を開催
協議を重ね、福知山城公園内での建設が決定
4.建設予定地
福知山城公園親水広場内
建設予定地 [PDFファイル/60KB]
5.施設概要
位置づけ
本施設は、「鉄道のまち」として発展してきた本市のアイデンティティを表すものとして、歴史資料の展示により体現するとともに、体験型コンテンツの設置により何度でも来館して楽しんでいただけるものとします。
「鉄道」という子どもから大人まで幅広く関心を持っていただけるテーマ特性と、福知山城などの歴史・文化施設等が集積する立地特性を活かし、地域内外からの誘客を図ります。
イメージパース
〔構造〕
・鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
・平屋建て(一部2階建て)
・延床面積 583.76平方メートル(1階 502.39平方メートル、2階 81.37平方メートル)
・外部まわりは漆喰調仕上げ、瓦屋根
展示・体験型コンテンツ
整備費用
なお、本建設事業を進めていくにあたり、令和4年3月25日付けで国から地方創生拠点整備交付金の交付決定を受けました。
本交付金は、地方創生の推進に資する施設として認めた施設を対象に、国から地方公共団体に交付されるものです(補助率 2分の1)。
本市では、建物建築費として310,216千円を見込んでいますが、その財源として国交付金155,108千円を充て実施する予定です。
収支シミュレーション
収支シミュレーション/入館者数推計 [PDFファイル/414KB]
主な工事・業務の実施状況
令和2年度
・基本設計業務
令和3年度
・実施設計業務
・地質調査業務
令和4年度~令和5年度実施
・下水道管移設工事〔令和4年4月27日〜令和4年7月29日〕
・公園施設解体工事〔令和4年5月19日〜令和4年7月29日〕
・本体建設工事〔令和4年6月27日〜令和5年3月30日〕
・電気設備工事〔令和4年6月8日〜令和5年3月30日〕
・外溝・周辺整備工事〔令和5年2月3日~令和5年6月30日〕
・展示制作業務〔令和4年6月8日〜令和5年8月23日〕
6.福知山鉄道館企画会議
福知山鉄道館の企画展示やイベント内容等について、子育てや観光等関係団体、市民公募委員の皆さんの意見を伺います.
実施状況等はこちらから
7.愛称及びロゴデザイン案募集
福知山鉄道館について、広く、多くの方に関心と親しみを持ってもらえるよう、その愛称とロゴデザイン案を募集しました。
詳細はこちらから
8.Q&A
Q1 福知山城公園内に建設するのはなぜ?
ゆらのガーデン近接地に建設することが寄附の条件でした。また、周辺に福知山城天守閣や佐藤太清記念美術館、丹波生活衣館など福知山市の歴史や文化を発信する施設が集積していること、まちなかの観光資源との連携という点でも相乗効果が期待できることから、当初は福知山城公園観光駐車場を候補地としました。その後、地元自治会からの意見なども踏まえ、福知山城公園親水広場内に建設することになりました。
瓦屋根や漆喰調の外壁で、周囲の景観と調和したデザインを採用しています。
Q2 総事業費市の負担は?
令和3年8月に基本設計での概算として総事業費7億2,300万円を示しましたが、その後の詳細な設計により見直しを進め、総事業費は約5億8,300万円となりました。その財源には寄付金のうち約1億4,600万円を充てるほか、国・府の補助金を約1億6,000万円確保しています。
また、借金である地方債については、償還時に約1億500万円の地方交付税が措置されます。
これにより実質的な市の負担額を約1億7,600万円に抑えています。
Q3 新しい鉄道館の運営の見通しは?
市内施設の来館者数の動向や過去の鉄道をテーマにしたイベント時の調査、設置する予定の体験型コンテンツの1日あたりの利用人数などを基に来館者数を推計し、概ね年間5万人の誘客を見込んでいます。
また、定期的な展示の入れ替えやイベントの実施、お城やゆらのガーデンとの連携などにより、何度も来館したくなるよう工夫を凝らします。
収支については、入場料やグッズ販売のほか、企業からの協賛やクラウドファンディングなどを検討するほか、展示の更新などには寄附金の一部を活用します。これらにより自立した運営を目指します。
Q4 市民の意見はどれくらい反映してるの?
関係者や市民からなる「福知山鉄道館ポッポランドのあり方検討委員会」からは、施設を分散して設置することなどの提言がありました。
その後、寄附を受けることとなり、新たな施設を整備することとなりましたが、「子どもからお年寄りまで幅広い層が集まる拠点」や「“見る・学ぶ”の機能は継承し“遊ぶ・楽しむ”機能を強化」など、提言に盛り込まれた提案の多くを反映しています。
このほか、福知山市子ども・子育て会議の委員、身体障害者団体連合会、福知山公立大学などにも意見をいただき、「歴史と観光。展示物を入れ替えながら子どもたちが歴史を学べるものとして10年20年継続するものを目指してほしい」「子どもたちも楽しめるような体験型のコンテンツが必要」などの意見を計画に反映しています。
Q5 福知山鉄道館ポッポランド2号館の蒸気機関車(SL)は移設されるの?
現在、福知山鉄道館ポッポランド2号館(福知山鉄道館フクレル別館)には、蒸気機関車C5856が展示されています。
新たな鉄道館の建設にあたって、この車両を移設することはせず、これまでどおり2号館にて最適な管理を行うとともに、新たな鉄道館と合わせて周遊いただくことで、福知山のまちなかを一体的な観光エリアとして楽しんでいただきたいと考えております。
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