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分銅形土製品

ページID:0006433 更新日:2020年11月13日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

 

6 分銅形土製品(府暫定)

 

ぶんどうがたどせいひんの画像1

 

ぶんどうがたどせいひんの画像2

 

 興遺跡出土
 福知山市教育委員会蔵

 興遺跡は多数の出土物とともに住居跡や環濠(かんごう)跡が確認された福知山市内でも重要な弥生時代の遺跡のひとつである。
 写真の出土物は分銅形土製品と呼ばれるもので、近畿自動車道敦賀線(現舞鶴若狭自動車道)の建設工事に伴い、平成元年に行われた発掘調査中に溝の底から出土した。
 分銅形土製品とは、円形もしくは長方形の土板の左右がくびれた弥生時代の特徴的な土製品で、重さを量る分銅の形をしているところから、こう呼ばれている。弥生時代中期から後期にかけて作られており、岡山県を中心とした中国・四国地方および近畿地方に及ぶ範囲に分布している。
 興遺跡から出土した分銅形土製品は、上半部の約三分の二を欠いているが、復元残存長12.2cm、厚さは中央部で4.7cmを測り、ほぼ全形を知ることができる。
 分銅形土製品をめぐっては、再生と豊穣(ほうじょう)を象徴する「人形説」や「仮面説」など複数の説があり、その用途が「これで決定」ということにはなっていないが、非日常的な場において用いられた祭祀(さいし)性の強いものであるという点では研究者の考えは一致している。本土製品も集落を守るための環濠の掘削あるいは収穫祭などに伴う儀礼的行為の場で破砕され、溝に投棄されたものと推測されている。


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