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兵庫神社本殿
35 兵庫神社本殿(府暫定)
福知山市大江町金屋
一重、切妻造、向拝一間、こけら葺 桁行三間 梁行一間 安永二年(1773)
兵庫神社は河守街道沿いに所在し、旧田辺藩金屋村の鎮守であったとされる。創建等詳細は不明。
本殿は雲の彫刻が彫られる向拝水引虹梁の細部意匠から、棟札にある安永二年(1773)に田辺住の大工・川崎忠兵衛の手により建立されたことがわかる。
平面は内部を前後で内外陣に区画し、内陣内に厨子を床置きする。建具は、外陣正面に七宝等の趣向を凝らした幾何学模様の嵌殺し格子戸を、内外陣境に板唐戸を納める。
床を張って覆屋と一体化した以外には大きな改変は見られず、丹波地域を中心に展開した切妻造社殿の形式を伝えている。