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專福寺本堂
30 專福寺本堂(府暫定)
福知山市夜久野町直見
一重、入母屋造、向拝一間、桟瓦葺 桁行13.6m 梁行13.3m 明和二年(1765)
專福寺は浄土真宗本願寺派に属する。「丹波志」によれば、山中区にあった普光寺が前身とされ、寛永七年(1630)に現地に寺地を移し、天台宗から真言宗に改めたと伝える。
本堂は、棟札より明和二年(1765)の建立と判明し、虹梁絵様などの細部意匠からも同時期のものとわかる。
前方二間を外陣とし、後方二間の中央間を内陣、両脇一間を余間として、半間後方に延長して脇壇を設ける。三方に濡縁を廻らし、外に柱を建てるが、柱上に四周に桁を組んでおり、背面庇下は後世の増築と考えられる。外陣中央間および内陣の天井を折上天井としているところが特徴的で、内外陣境に双折金障子、脇陣外陣の境には四枚の襖を納め、内陣・脇陣正面の欄間を立体感あふれる彫刻で飾るなど、近世真宗寺院本堂の特徴をよく示している。