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天寧寺 木造薬師如来坐像
39 天寧寺 木造薬師如来坐像(市指定)
福知山市字大呂 一躯 像高64.1cm 一木造(カツラ材) 平安時代
本像は秘仏本尊として祀られる像で、全体的に荒々しい作風がみられ、額にかぶさる髪際、丸顔、引き締めた頬や吊上がった目尻が厳しい表情を作り、首が太く、後頭部の髪際が水平になるなどの表現がみられる。
これらの表現は、福知山市最古の木彫仏である九世紀の長安寺薬師如来立像(市指定)に近い一方で、細身の体部や腰高である点、翻波式衣文がみられない点が異なることから、長安寺像などを手本に遅れて制作されたと考えられ、本像の制作時期は平安時代(十~十一世紀頃)と推定される。当地の薬師信仰を捉える上で重要な仏像である。
本像は秘仏本尊として祀られる像で、全体的に荒々しい作風がみられ、額にかぶさる髪際、丸顔、引き締めた頬や吊上がった目尻が厳しい表情を作り、首が太く、後頭部の髪際が水平になるなどの表現がみられる。
これらの表現は、福知山市最古の木彫仏である九世紀の長安寺薬師如来立像(市指定)に近い一方で、細身の体部や腰高である点、翻波式衣文がみられない点が異なることから、長安寺像などを手本に遅れて制作されたと考えられ、本像の制作時期は平安時代(十~十一世紀頃)と推定される。当地の薬師信仰を捉える上で重要な仏像である。