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長安寺 木造薬師如来坐像
9 長安寺 木造薬師如来坐像(市指定)
福知山市字奥野部 一軀 像高104.0cm 寄木造 平安時代
構造手法では平安中期以降流行する割矧(わりはぎ)技法を用いているが、面相及び体部の肉付きや衣文等には彫りの浅い穏和な表現の平安末期的な手法が多分に含まれており、おそらく平安末期の制作と思われる。
像内部には火煙の跡があり、応永及び江戸の末期に火災にあったという当寺の歴史記録と一致する。彫刻面からみれば、中央色豊かなものがあり、平安末期にみられる特徴である立体感の弱さがみられない。