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佐々木神社 木造春日明神坐像
3 佐々木神社 木造春日明神坐像(府登録・市指定)
福知山市字下佐々木
一軀 像高27.8cm 一木造 康永元年(1342)
冠をかぶり口髭と顎鬚をたくわえ、袍を着け、腹前で笏(亡失)を持ち、両沓(くつ)裏を合わせて坐る男神像である。
像は木心を中央にした杉かと思われる一材から丸彫りし、内刳も行っていない。そのために両足間から腹にかけて大きい干割(ひわれ)が生じている。彫りは神像特有の簡素なものながら、瞋目(しんもく)を大ぶりに刻んで神威を手際よく表現している。躰部の彫りも強装束(こわしょうぞく)をむだなく刻むなど手慣れた彫技は注目に値しよう。像底に墨書銘があって康永元年(1342)の造像であることがわかり、南北朝期の基準作に加えることができる。
(像底墨書銘)
敬白」 奉造立春日大明神」
御身躰」 右奉尋神明昔者応」
☆潢源佛今者為」 和光同塵之本誓本」
地垂迹是殊勝也爰」 以子孫殷昌諸人□□」
乃至法界同利益故造」 立如件」
康永元秊壬午十一月日」 藤原□□」