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柿本観音堂 木造千手観音立像、不動明王立像、毘沙門天立像
23 柿本観音堂 木造千手観音立像・不動明王立像・毘沙門天立像(市指定)
木造千手観音立像
木造不動明王立像
木造毘沙門天立像
福知山市夜久野町畑柿本
三軀 木造 漆箔 彩色 像高 千手103.5cm 不動67.2cm 毘沙門70.5cm 平安時代
千手観音と不動明王・毘沙門天の三尊一組で安置される。観音が脇侍として不動・毘沙門を従えるのは、天台独特の安置方法とされ、よってこの三尊も天台寺院に伝来したものと推測される。
三尊とも一木割矧造であるが、頭上面は共木から掘り出されるなど古風な技法を用いる点もある。千手観音は穏やかな表情と、全体にまとまりのよい作風は、十二世紀末の造像であることを示している。不動・毘沙門像は共に体部が細めという特徴がみられるが、表面を後補の彩色が覆うため、平安時代の表現が隠されているのは惜しまれる。
平安末期の天台系の三尊として貴重である。