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常光寺 木造阿弥陀如来坐像
36 常光寺 木造阿弥陀如来坐像(市指定)
福知山市大江町天田内 一軀 木造 漆箔 像高91.2cm 平安時代
本寺の本尊の定印を結ぶ阿弥陀如来坐像。全体に平安時代後期の作風を示すが、面相には十世紀の作例を写したような古様な表情をみせている。頭体を通じて、左は耳前、右は耳中ほどにて両腰脇を含んで前後に二材を寄せ、前面材は底部に像心束を残している。脚部は横一材制で、両手先はこの材から彫り出される。左右の前膊部はそれぞれ別材を足している。尚、像底には板貼りがなされていることと漆箔のために構造の詳細が分かりにくく、体部に対して脚部が大きすぎるなどの点を十分に解釈できない。寺伝では本像は、三和町細見の興雲寺から移坐されたという。