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威光寺 木造金剛力士像
45 威光寺 木造金剛力士像(市重要)
福知山市字下佐々木 二軀 像高222cm 室町時代
通有の形態をとる玉眼嵌入の金剛力士像である。運慶の流れをくむ優れたもので、忿怒をあらわす顔にはみるべきものがある。しかし、下半身には後補の跡があり、裳裾の動きなど全体に弱さがみられ、様式化された感がある。作風から室町時代前期の作とみられる。
威光寺に残る宝暦五年(1755)の「仁王再興権化帳」によると、文治三年(1187)運慶の作というが確証はない。その後、法橋運長と北川縫殿(京油小路)が修理し、宝暦五年に再度、京室町松原の水谷作之進が修理したことがわかる。さらに、近年の修理に伴い、改変された様子がうかがえるのは残念である。