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才ノ神のフジ
2 才ノ神(さいのかみ)のフジ(府指定)
福知山市大江町南有路
大江町南有路小字福料寺から綾部市西方町に通じる谷あいの道が古地峠にさしかかる路傍に位置している。今では空洞化したケヤキの大木に、大小六株のフジが枝を絡ませており、最も太いフジでは根元近くで幹周が約18.0m、高さは3mに及ぶ。ケヤキの根元から北、北東、東方向に枝蔓が拡がり、樹冠はおよそ300平方メートルがを覆う規模となっている。花期は他の藤よりやや遅く五月中旬過ぎであり、長く美しい花穂の下で毎年藤祭りが催される。
この祭りはまた「藤の宮さんの祭」ともいわれ、フジとケヤキの根にはさまれた人頭大の石を御神体とした才ノ神をあがめる一種の道祖神信仰から発しているといわれる。
このフジは昭和9年に文部省により天然記念物の指定をうけたが、31年に地方的なものという理由で指定を解除され、その後49年9月に旧大江町教育委員会が町の天然記念物に指定し、鉄骨製の藤棚を設置するなど、地元有路才の神藤保勝会とともに保護に努めている。