本文
紙本墨書地蔵本願経
6 天寧寺 紙本墨書地蔵本願経(市指定)
福知山市字大呂 天寧寺 一巻 巻子装 縦15.0cm 全長220.0cm 49紙継ぎ
文明八年(1476)天寧寺の当時の住職であった守瑤(しゅほう)が書いた奥書によると、この経は愚中周及の真蹟であるという。
末法思想の盛んであった平安中期以降、地蔵信仰はとくに広まり、室町に入ると足利尊氏をはじめとする貴顕の中にも、また、禅僧の間でもごく一般的にみられる現象であった。愚中のような高僧も、この経のごとくみずから経を書くというように、例外でなかったことがうかがわれて興味深い。
(奥書)
右此經者」 乃祖上大通禅師大和尚之」
真蹟也然小師」 月窓松長老受持讀誦」
而禮敬供養心常切者乎」 厥風致高邁劉☆磨参」
☆山旨可観也」 旹文明丙申亗林鐘日」
天寧住持守☆焚香」