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惇明小学校本館

ページID:0001283 更新日:2020年11月17日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

 

63 福知山市立惇明小学校本館(国登録有形文化財)

 惇明小学校本館の画像

 福知山市字内記  一棟

 昭和十二年三月二十三日竣工:木造/鉄骨造2階建建築規模:桁行43.3m、梁行18.4m

 旧藩校「惇明館」にはじまる。明治六年七月惇明小学校創立。旧福知山城の城域にあたる地にあり、天守の西側、市役所など公共・文教施設が集まる地区に立地する。

 『惇明百年史』(昭和四十八年七月一日発行)の記述によれば、昭和十年一月十五日に「建築上参考のため全校児童を講堂に集む六町長、助役建築技師視察す。」とあり、この頃新校舎の設計が行われていたと推測できる。昭和十二年三月二十三日に本館の竣工式を行っている。

 建築現況:昭和六十二年の大規模改修工事では、屋根改修、外壁塗装の吹き替え、床下地の補修や床・天井・壁の張り替えが行われるとともに外部開口部のサッシをアルミサッシに変更している。平成二十八年には耐震補強工事が行われ内部にブレスなどが設置されているが間仕切りなどの変更や増築は行われておらず、建築当初の形態を良くとどめており、いたみも少ない。

 建築の特徴:南北43.38m、束西18.4mの規模で一階が中廊下をもった平面形式で管理部門(校長室・職員室・医務室・作法室など)が設けられ二階を講堂としている。外観は昭和のモダン様式で東側中央に車奇せを張り出し、南北方向にシンメトリーの構成である。南北に各々階段室を配し、大小の丸窓をリズミカルに並べている。二階の講堂の東西に柱間ごとに縦長のガラス窓を大きくとっている。構造は木造を主体としながらも木造の柱を抱く形で鉄骨の組み立て柱を建て鉄骨の梁で二階床を支える。また、小屋組は鉄骨のトラスを組んでいる。この建物が竣工した昭和十二年という年は、建築資材の統制令が出された時期であり、福知山における戦前最後の鉄骨建築と見ることもできよう。

 惇明小学校本館は、昭和初期モダン様式で建てられた小学校建築として建築当初の形式をよくとどめており、地域の景観、歴史、文化の面からも貴重な建築といえる。


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