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熊野神社 懸仏
4 熊野神社 懸仏(かけぼとけ)三十二面一躯(府登録)
福知山市大江町字北原 熊野神社
鏡板径 34.5~5.8cm 平安時代~室町時代
3~5は大振りの懸仏で、室町時代の作風を示している。5は薬師如来立像の懸仏で、立像の如来形は珍しく、作域も丁寧で中心となる懸仏とも見られる。3、4は同じ形状の熊野三尊懸仏と考えられるもので、時代は5よりやや降るものであろう。
15~32までは室町時代の作風をしめし、20の背面墨書銘「□享十二」から永享十二年(1440)の作であることが判明し、これらはほぼ同時期につくられたものであることが分かる。
7は鏡面に合掌する僧形坐像を線刻し、平安時代の作風を示している。
1、2、33は木造で、33は蔵王権現懸仏で鏡を失っているものの、漆箔と一部の彩色が残り丁寧な彫りを見せている。1、2は一具で、端正な像容など優れた作風を示している。
1、2、6および8~14は鎌倉時代の作風を示す。その中で小ぶりの8と9が大きさと作風を同じくし、10・11・12、13と14もそれぞれ共通とする。