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長安寺 絹本著色仏涅槃図
19 長安寺 絹本著色仏涅槃図(市指定)
福知山市字奥野部 一幅 縦191cm 横149cm
この涅槃(ねはん)図は、釈尊の周囲に多くの弟子や動物などが嘆き悲しむ姿を二幅一鋪の絵絹に克明に描いている。各寺院に普通に見られる図であるが、肥痩(ひそう)線を用いて数多くの群像を巧みに描き、華やかな色調をおさえて沈痛な気分をよくあらわしている。
寺伝では明兆筆と伝えられているが定かではない。市内の多くの寺院に残されているものの中でも立派なもので、作風から見て室町時代の優品といえる。