本文
天寧寺 絹本著色愚中周及像自賛
7 天寧寺 絹本著色愚中周及像自賛(府指定)
福知山市字大呂 一幅 縦89.2cm 横39.9cm
愚中周及は、入元して即休契了に参じた僧で、当地へは、貞治四年(1365)に招かれて天寧寺の開山となる。のちに安芸仏通寺の開山となり、応永十六年(1409)八月天寧寺で八十七歳で没している。
像は、朱地に金泥で唐草を描いた金襴の法被(はっぴ)をかけた曲彔(きょくろく)に払子(ほっす)を執って斜め左向きに坐す白髯の姿を一副一鋪の絵絹に描き、上方に自賛七行がある。賛には育公知☆(いくこうちひん)に与えたという旨のことが書かれている。仏通寺の自賛頂相(重文)は頭頂に手をのべた異体であるのに比べ、本像は晩年の謹厳な姿を表している。
(賛文)
莫言斯老漢」 無道亦無伴」 幸得育春岩」
芳帯桑楡暖」 老衲周及為」 育公知☆自」
訐云 (花押)」