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金光寺 絹本著色愛染明王像図
13 金光寺 絹本著色愛染明王像(府暫定)
福知山市字喜多 一幅 縦147.0cm 横87.2cm
輪宝羯磨文(りんぼうかつまもん)の描表装(かきびょうそう)をめぐらした一幅一鋪の絵絹の中に、大円相中、獅子冠をつけ、六臂、蓮台に坐す愛染明王(あいぜんみょうおう)を描き、下辺は宝瓶(ほうびょう)で支えるという通有の形をとる。形姿もよく整っており、彩色も美しい。
怒髪と条帛(じょうはく)や裾は切金(きりかね)の細緻な文様で飾り、円相中の火炎は金泥と墨線であらわす。飾り金具等は金泥であらわすが、あまり盛り上げていない。描写はのびのびと闊達に表現され、画相の諸特徴からみて、鎌倉時代後期の制作と考えられる。補彩が若干みられるが、鎌倉時代の愛染明王像として出色のものである。