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丹波の漆かきと夜久野漆器

丹波漆の歴史

 明治40年に発行された「実用漆工術(じつようしっこうじゅつ)」という本に、日本全国の漆の産地30か所が記されていますが、その一番目に書かれているのが、「丹波(たんば)」です。
 「丹波」というのは、今の京都府と兵庫県にまたがっていましたが、漆で「丹波」といえば、現在の福知山市の西北部の地域のことを指してきました。 この「丹波の漆」の歴史は、奈良時代の初期、即ち、約1300年も昔に確認できます。そして、この地域に明治期には、500人もの漆を掻き取る人たちがいたのです。
 全国で30を数えた漆の産地は、次々と姿を消して、現在も引き続いて残っているのは、ほんのわずかしかありません。
 こうした中で、この福知山市(夜久野地域)で「丹波の漆」の歴史と伝統を守り、受け継いでいる人たちがいることは、その存在自体が貴重なものです。
 現在、漆の需要の98パーセントが中国産という中で、「丹波の漆」を再び復活させることは、現在に生きる私たちの歴史的な使命といえるのではないでしょうか。

どうやって漆液を採るのか?

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 漆の木から漆液を取ることを「漆掻き(うるしかき)」といいます。10年以上育った木から「漆掻き」をします。
 5月の終わりか6月の初めに、木に傷を付け始め、4日に1回のペースで、9月末ごろまで、独特の傷を徐々に増やしていきます。出来るだけ木を傷めずに、多くの漆液を取るために、一定の寸法をきめて傷を付けます。
 「カンナ」と呼ばれる特殊な道具で、漆液を採取する溝を付け、そこに分泌してくる漆液を「ヘラ」という道具で掻き取り、それを「筒」という容器に集めます。
 漆液を取る時期によって、水分やウルシオールという成分の量が違い、初漆(はつうるし)、盛漆(さかりうるし)、遅漆(おそうるし)、裏目漆(うらめうるし)などと区分しますが、最も良質で量が多いのは、7月中旬~8月末までの暑い時の40日間です。
 太い木ほどたくさん取れますが、木の大きさや、その人の技術、その年の天候などによって違います。普通、1本の木から牛乳ビン1本程度しか取れない貴重なものです。
 木は10月以降になると根元から切り倒されてしまいますが、取れた漆液は塗料として使われ、漆器になって生まれ変わり半永久的に生き続けていきます。

漆は昔から大切なものでした

 国土の7割近くが森林の日本では、私たちの先祖は、山の木と共に生きてきました。木の実を食べ、木で火を焚き、木の家に住み、木の皮から布や紙をつくり、木でさまざまな生活用具を生み出して使い、生活してきました。その木の文化の中で、漆は塗料や接着剤として無くてはならない大切なものでした。
 福井県若狭町の鳥浜貝塚や、青森市の三内丸山遺跡などからは、今から6000年も昔の縄文時代早期の石器、土器、丸木舟などと一緒に、赤色の漆の櫛(くし)や黒色の漆を塗った土器などが出土しています。
 このように漆は、酸やアルカリ・アルコールにも侵されず何にも溶けない特性があり、耐水性や耐熱性に大変優れ、防腐性は抜群です。深く落ち着きのある温かい光沢の美しさは、漆を英語でジャパンと言われるように日本を代表する美しさでもあります。漆は木竹・土器・金属・布・ガラス・紙・皮などにも塗ることができ、また接着剤としても使えるため、生活の中で大切に使われてきました。
 そして、無公害の安全性や本物の美しさ、やすらぎ、そして環境にやさしい漆が今、再び注目されてきています。

漆器をしまったままにしていませんか?

 漆は使ってみて初めて良さがわかるものです。本物の漆器でも「もったいない」と何年もしまったままにしていると、いつの間にか傷みが出るなど、本当にもったいないことになってしまいます。せめて年に一度でも使って、洗って水分を補うようにしてください。
 使い方もむずかしく考えないでください。漆は結構丈夫なので、中性洗剤で洗っても大丈夫です。ただし、ザラザラした焼き物の器をいっしょに洗ったり、重ねたりはしないでください。硬いものにぶつかったり、こすったりすれば傷がつくのはあたりまえのことです。物に対するちょっとした心配りだけでいいのです。
 漆器はシンプルなデザインのものが多く、洋風のものでも意外と合うものです。お椀にコーンスープやカフェオーレを入れてもいいし、使わなくなったお重にお菓子を入れたり、布を敷いて宝石箱にしても素敵です。自分なりのスタイルで漆器を生活に取り込んでみてはいかがでしょうか。

 


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