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清流の女王 鮎
福を知る - Stories of People,Places,Culture in our town Fukuchiyama -
由良川の鮎(由良川漁協にて特別に撮影させていただきました)
鮎は日本の夏を代表する川魚。由良川にも生息し、古くから鮎漁が行われてきた身近な魚だ。そんな鮎は、実はいろいろな別名を持つことで知られている。
香魚、年魚、銀口魚… すべて鮎を表すことば
鮎は、見た目や生態などの特徴から、様々な別名が付けられている。
「香魚は」スイカのような香りに由来し、主食のコケなどが影響しているといわれている。英語では、日本の代表的な魚とあって、そのまま ayu(アユ)や、香りの特徴から sweetfish(スイートフィッシュ)とも言う。
「年魚」は寿命が1年であることに由来し、四季により住む場所を変えている。秋に孵化すると川をくだり、海で冬を過ごす。春~夏にかけて再び川を遡上するのだ。
また、口が銀色に見えることから「銀口魚」と呼ぶこともある。
鮎という漢字は“占い”が由来
魚+占=鮎
鮎という漢字にもいくつかの由来が存在し、その一つに、奈良時代に成立した歴史書「日本書紀」がある。
神功(じんぐう)皇后は、釣りで勝ち戦を占ったと記され、そのとき釣れたのが鮎。魚で占ったことから鮎と書く由来の一つとなっている。
由良川は、ほとんどが天然鮎
全国には、減ってしまった天然鮎を増やそうと取り組む地域もあるが、由良川では今でも9割以上が天然鮎。今年放流した約43万匹の養殖鮎は、全体の1割にも満たないという。
市内では土師川や牧川にも遡上しており、友釣りなどを楽しむことができる。
川で釣りをする人の姿
透き通るような水が流れる牧川
鮎釣りには遊漁券が必要
今年は天然鮎の遡上が例年にないほど多く、釣果が期待できるそう。由良川漁業協同組合では、鮎釣りに必要な遊漁券や天然鮎の販売を行っている。
【由良川漁業協同組合 電話:0773-22-2844】
豊かな水産資源を守っていくために、漁期間や禁漁区域などが定められている。ルールを守って、川の恵みを未来まで繋いでいきたい。
【コラム】由良川と漁にまつわる豆知識 - 「音無瀬」の語源 -
音無瀬橋の「音無瀬」。その語源は由良川での漁と深く関わっている。福知山市の土(つち)地区にある松尾神社に供える魚を捕る場所として、一般の人が入れない静かな川だったことが由来と伝わる。由良川は地域によって呼び名が異なり、音無瀬川とも呼ばれていたそう。※語源には諸説あり
由良川の堤防から音無瀬橋を望む
この記事は広報ふくちやま2021年7月号24ページに掲載しています。