○福知山市議会基本条例

平成24年12月21日

条例第31号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第5条)

第3章 市民との関係(第6条)

第4章 市長等との関係(第7条―第12条)

第5章 国との関係(第13条)

第6章 自由討議の拡大(第14条)

第7章 政務活動費(第15条)

第8章 議会改革の推進(第16条・第17条)

第9章 議会及び議会事務局の体制整備(第18条―第23条)

第10章 議員の定数及び報酬並びに政治倫理(第24条・第25条)

第11章 最高規範性及び見直し手続(第26条・第27条)

第12章 補則(第28条)

附則

市民が、自らの意思と責任で地域のことを決定することが、地方自治の本旨である。市民に選挙で選ばれた議員により構成される福知山市議会(以下「議会」という。)は、この住民自治を議会運営の基本理念として活動していかなければならない。

また、議会は、二元代表制の特性をいかし、市長と緊張関係を保持しながら、市民参加のもとで、住民自治の実現にまい進する責任と権限を負っている。我々は、その持てる権能を十分に駆使し、自由かっ達な討議をとおして、論点及び争点を明確にするとともに、市民への積極的な情報公開を推し進めることで市民福祉の向上に寄与し、市民主体の地方自治を実現する使命がある。

この使命を達成するために、議会の最高規範として、本条例を制定した。我々は、この条例に定める議会としての議会運営の規範を遵守し、実践することにより、市民に信頼され、評価される議会を構築するものである。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、二元代表制の下、市民及び市長並びに議会の関係、議会活動の基本原則その他基本的な事項を定めることにより、自治体が立案する事務の決定、執行及び評価における論点や課題を広く市民に明らかにするとともに、合議制の意思決定機関としての議会の果たすべき役割を明確にし、もって福知山市の豊かなまちづくりを実現することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、議会活動への市民参加と情報公開の原則に基づき、活動を行わなければならない。

2 議会は、議会活動に市民の積極的な参加を募るため、市民が参加しやすい仕組み作りに努めるとともに、議長が議会に諮って議案の審議に用いる資料等を提供し、市民の傍聴の意欲を高める議会運営に努めなければならない。

3 議会は、議長、副議長並びに各委員会の委員長及び副委員長の選出等に当たっては、それぞれの職を志す者に対して、所信を表明し、又は質疑応答する機会を設け、その選出の過程を市民に明らかにしなければならない。

(議長の責務)

第3条 議長は、中立で公平な議会運営を行わなければならない。

2 議長は、本会議後に必要に応じて記者会見を実施し、議会の情報公開に努めなければならない。

(議員の活動原則)

第4条 議員は、個別的な事案の解決だけでなく、市民全体の健康で文化的な環境の確保と均衡ある発展を目指して、自らの政治信条に基づいて活動しなければならない。

2 議員は、市政の課題全般について市民の意見の的確な把握に努めなければならない。

3 議員は、政策、条例、意見等の議案の提出に努めなければならない。

4 議員は、議案審査に当たって反対するときは、代案をもってすることに努めなければならない。

(会派)

第5条 会派は、政策上の理念を共有する2人以上の議員で構成し活動することができる。

第3章 市民との関係

(市民参加及び市民との連携)

第6条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、市民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は、全ての会議を原則公開する。

3 議会は、本会議、常任委員会、議会運営委員会、特別委員会等の運営に当たり、公聴会制度及び参考人制度を十分に活用して、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させる。

4 議会は、請願及び陳情を市民による政策提言と位置付け、提出者が希望した場合は、その委員会審査又は調査において、意見を直接述べることができるよう配慮しなければならない。

5 議会は、重要な議案に対する各議員の意見を議会広報で公表する等議員の活動に対して市民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めなければならない。

6 議会は、議会報告会を開催し、市民に対し討議内容及び議決事件の説明をするとともに、市政全般に関する課題について市民との意見交換に努めなければならない。

第4章 市長等との関係

(市長等と議会及び議員の関係)

第7条 議会の本会議における議員と市長及び執行機関の職員(以下「市長等」という。)の一般質問における質疑応答は、広く市政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うことができる。

2 議長から本会議、常任委員会及び特別委員会への出席を要請された市長等は、議員の質問に対して議長又は委員長の許可を得て、論点及び争点を明確にするため、反問することができる。

3 議会は、災害が起きたときには、市民及び市長との間で情報の共有化を図り、オンライン会議(映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法を活用した会議をいう。)を含めた、迅速な対応に努めなければならない。

(市長による政策等の形成過程の説明)

第8条 議会は、市長が提案する計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)について、その水準を高めるため及び市民への公開のため、市長に対して次の事項の説明に努めるよう求めるものとする。

(1) 政策等を必要とする背景

(2) 検討した他の政策案等の内容

(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討

(4) 市の総合的な計画との整合性

(5) 関係ある法令及び条例等

(6) 政策等の実施にかかわる財源措置

(7) 将来にわたる効果及び費用

2 議会は、前項の政策等の提案を審議するに当たっては、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めなければならない。

(予算案及び決算における政策説明資料の作成)

第9条 議会は、市長が予算案及び決算を議会に提出し、議会の審議に付すに当たっては、前条の規定に準じて、施策別又は事業別の分かりやすい政策説明資料の作成に努めるよう求める。

(地方自治法第96条第2項の議決事項)

第10条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の議会の議決事項については、代表機関である議会が、市政における重要な計画等の決定に参画する観点と同じく、代表機関である市長の政策執行上の必要性を比較考慮の上、次のとおり定める。ただし、法律に定めのない計画等については、各所管の常任委員会等で調査及び研究する。

(1) 総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想及びこれに基づく基本計画に関すること。

(2) 前号に掲げるもののほか、市行政の各分野における、政策及び施策の基本的な方向を定める計画、指針その他これらに類するものに関すること。ただし、行政内部の管理にかかる計画、特定の地域を対象とする計画及び計画期間が5年未満の計画を除く。

(予算等に対する議会の役割)

第11条 議員が予算を伴う条例案を提案するときは、市長と協議する。

(各種審議会への参画)

第12条 議員は、各種審議会及び委員会には、法令の定めのあるものを除き参画しない。なお、当該各種審議会及び委員会において審議する行政課題については、議会においても独自に調査及び研究するものとする。

第5章 国との関係

(地方議会の国への働きかけ)

第13条 議会は、地方分権をさらに推進し、真の地方自治を確立するため、積極的に国に働きかけなければならない。

2 議会は、国に対し意見書等を提出することにより、市民の要望を国に直接伝えることに努めなければならない。

3 議会は全国市議会議長会等を通じ、各自治体が共有する諸課題の提言及び政策等を国に申し入れる。

第6章 自由討議の拡大

(自由討議による合意形成)

第14条 議会は、会議においては、議員相互間の自由討議により議論を尽くして合意形成に努めなければならない。

第7章 政務活動費

(政務活動費の交付、公開及び報告)

第15条 政務活動費の交付については、議員による政策研究、政策提言等が確実に実行されるよう、福知山市議会政務活動費の交付に関する条例(平成24年福知山市条例第30号)に基づくものとする。

2 政務活動費の交付を受けた議員は、公正性、透明性等の観点に加え、その支出根拠が議会の議決事項である予算に依拠することから、市民等から疑義が生じないよう、議長に対して証票類を添付した収支報告書を条例で定める期日までに提出するとともに、自ら説明責任を果たすよう努めなければならない。

3 前項の報告書は、所定の場所において市民が自由に閲覧できるようにしなければならない。

4 政務活動費の条例の改正案は、市長が提案する場合及び法第74条第1項の規定による市民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付して議員が提案する。

第8章 議会改革の推進

(議会改革)

第16条 議会は、議会改革に継続的に取り組まなければならない。

2 前項の取組を進めるため、議会改革検討会議(次項において「検討会議」という。)を設置する。

3 検討会議は、必要に応じて、学識経験者等を招致し意見を求めることができる。

(交流及び連携の推進)

第17条 議会は、他の自治体の議会との交流及び連携を促進するため、独自に、又は共同して、議会の在り方についての調査研究等を行う。

第9章 議会及び議会事務局の体制整備

(委員会等の適切な運営)

第18条 議会は、社会経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため、委員会の特性をいかし、閉会中の調査研究等を積極的に進め機動力を高めなければならない。

2 委員長は委員会の秩序保持に努め、委員長報告を作成するとともに、当該報告への質疑に対する答弁については、責任をもって行わなければならない。

3 委員会は、市民の積極的な傍聴を募るため、出張委員会等(福知山市役所本庁舎以外で開催する常任委員会等をいう。)を行うことができる。

4 委員会の審査に当たっては、委員長が委員会に諮って、傍聴者に議案の審議に関する資料等を提供することができる。

(議会図書室の活用)

第19条 議会は、議会図書室を充実させるとともに、これを議員のみならず、市民及び市職員の利用に供する。

(議員会派室の活用)

第20条 市民の多様な議会への要望などに対応する1つの活動拠点として、議員会派室を設ける。

(議会事務局の体制整備)

第21条 議会は、議会及び議員の政策形成及び立案能力を高めるため、議会事務局の調査及び法務機能を積極的に強化できる職務執行体制を確保しなければならない。

(研修の充実強化)

第22条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、広く各分野の専門家等との研究会を積極的に開催し研修の充実強化を図らなければならない。

(議会広報の充実)

第23条 議会は、市政に係る重要な情報を、議会独自の視点から、常に市民に対して周知するよう努めなければならない。

2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報活動に努めなければならない。

第10章 議員の定数及び報酬並びに政治倫理

2 議員の定数及び報酬の改正に当たっては、市政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮しなければならない。

3 議員定数及び議員報酬の条例の改正案は、市長が提案する場合及び法第74条第1項の規定による市民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付して議員が提案する。

(議員の政治倫理)

第25条 議員は、市民全体の代表者としてその責務を常に自覚し、市民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

第11章 最高規範性及び見直し手続

(最高規範性)

第26条 この条例は、議会運営における最高規範であって、議会は、この条例に違反する議会の条例、規則、規程等を制定してはならない。

(見直し手続)

第27条 議会は、議会運営がこの条例の目的、原則等に即して行われているかどうかを不断に検証し、必要があると認める場合は、この条例の改正を含め適切な措置を講じるものとする。

2 議会は、この条例を改正する場合には、全議員の賛同する改正案であっても、本会議において、当該改正案の提案者に改正の理由及び背景を詳しく説明させなければならない。

第12章 補則

第28条 この条例の施行に関し、必要な事項は、別に定める。

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

(令和5年2月24日条例第25号)

この条例は、令和5年4月1日から施行する。

福知山市議会基本条例

平成24年12月21日 条例第31号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第2編 議会・選挙・監査/第1章
沿革情報
平成24年12月21日 条例第31号
令和5年2月24日 条例第25号