ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 組織からさがす > 大学政策課 > 井坂彩乃さん(福知山公立大学)

本文

井坂彩乃さん(福知山公立大学)

井坂綾乃さん

Profile

地域経営学部地域経営学科 3年生

出身:徳島県阿南市

 

Q.出身地の徳島県阿南市について聞かせてください

地元の阿南市は徳島県の南東部に位置するまちです。

和歌山へは徳島からフェリーに乗ったら2時間くらいで行けるので、よく行ってました。

県全体では阿波踊りや渦潮などが有名です。渦潮が見える鳴門市は私の実家からだと少し遠いし、潮の関係もあっていつでも見られるものでもないので、私も1度か2度見たことがあるくらいなのですが、春の大潮の時期には世界最大級の渦潮が見られるそうです。

大鳴門大橋の近くには、米津玄師さんが紅白でLemonを歌って注目された、世界中の名画のレプリカが展示してある「大塚美術館」があります。

特産物はタケノコやすだち、鳴門金時などがあります。阿波尾鶏という、うまみ成分が豊富でとても美味しい地鶏も有名です。

徳島県は地方創生に力を入れ始めていて、上勝町ではITを駆使する高齢者によって、料理に添える「つまもの」の栽培から販売までを行う「葉っぱビジネス」が世界から注目されています。神山町では町内全域に高速ブロードバンド網が整備されていて、都心部のIT企業の本社やサテライトオフィスが何社もあり、さまざまな人が移住してきています。

四国88か所巡りで、お遍路さんを迎える接待の文化が上の世代の人のなかでは残っていて、他府県から来たよそ者ではなく「がんばってなあ~」という感じで、接待としてお菓子をあげるような習慣がお寺が近い地域では根付いています。最近は全部巡るのを目指さず、長期休暇でいけるところまでのお参りをするなど新しい形態ができてきて、来られる人の層も幅広くなってきたような気がします。

地元にいるときは地元の魅力があまりわかっていなかったですが、たとえばお隣さんが野菜をくれたり、ご近所さんと仲が良かったり、田舎ならではのその距離感が良かったです。
私は、大学に入って福知山のことを知っていくうちに、「自分の地元に関する知識はあまりない」ということを恥ずかしいなと思うようになってきました。

また、日本人は自分の地元のことをあまり語れないけど、海外の人だと自分の国や出身地のことは語れて当たり前で「え?自分の国のことも話せないの?」と言われると聞いて、生まれ育ったまちに詳しい自分になりたいと感じました。今年は就職活動の傍ら、徳島県を知るツアーのようなものに参加したいなと計画していたのですが、コロナウイルス感染症の影響で断念しました。また機会があればそういったものに参加して、地元のことをもっと深く知りたいです。

Q.福知山公立大学を志望したきっかけは?

もともと地域というものに対してはふわっと興味があった程度だったのですが、高校生のとき高校近くで行われた東京の大正大学のフィールドワーク実習に参加させてもらうことがあり、それを機に地域という分野にのめり込んでいきました。

高校時代の写真

高校までは地域に関わろうと思っても、学校が募集するボランティア活動くらいしかやり方が見つからなかったけど、大学では地域を学問として学ぶことができると知りました。そして調べて候補としてあがったのが福知山公立大学でした。
将来こんな職業に就きたいなどの具体的なことは何も決まってなかったけど、そのとき一番興味があった地域という分野に関する勉強をしたいと思ったのでこの大学を志望しました。

Q.福知山市の印象・魅力について聞かせてください

オープンキャンパスにも来てなくて、受験も大阪で受けました。合否発表がある少し前に母と一緒に大学を見にきたのですが、そのときの印象はあまり良くなくて、シャッター街が目立っているし大学の周りは坂が多くてしんどそうだと感じたのを覚えています。帰るときに「え~、もうちょっとなんかないん~?」って言っていました(笑) そのときは目に見えるわかりやすい魅力を探していたような気がします。

今はたぶん他のどの大学生よりも福知山が好きです!
暮らしてみて感じたのは、福知山は大学生でも手が届く値段で美味しいものを提供してくれる飲食店が多いことです。これはカフェ巡りが好きな私にとって嬉しいポイントです!この辺だと「まぃまぃ堂」さんによく行きます。最近は「お土産と喫茶 足立」さんや、市民病院の近くの「UNBIRTHDAY COFFEE」さんも好きで、この3店舗には行きつけレベルで通っています。福知山市内のカフェ

それから、地域で活動している人、福知山で活躍しているすごい人にアクセスしやすいのが嬉しいです。都会に比べると知り合える人の幅はそんなに広くないのかもしれないけど、オープンな人が多いので、福知山で頑張っている人を紹介してもらえたり、若い世代で活躍している人が多いから、すごく活気があるように思います。大学生の挑戦にも全力で背中を押してくれます。

前に自転車がパンクしたときに、通りすがりの人が一緒に持ち上げて運んで「近くに自転車屋さんがあるから連れてってあげるわ」と案内してくれ、お店の人も「こことあっこも壊れてたし、一緒に直しといたわ!」と親切にしてくれ、福知山は優しい人が多いです。

福知山市の広報誌「広報ふくちやま」の一番後ろのページの「フクマップ」という福知山公立大生がつくる連載ページがあるのですが、所属している「学生広報」の組織で、そちらのページの記事を執筆させていただいています。それを見た人から「読んだよ~」「そんな活動してるんすごいなあ~」などと声をかけてもらったりすることもあります。そんな風に、大学生の活動を見守って応援してくださる地域の方も多いということがとても励みになりますし、嬉しいです。

Q.サークル活動や課外活動について聞かせてください

学生団体DOKKOに入っています。

私は福おじばという高齢者のかたと関わるプロジェクトと、いまは少しストップしているのですが、フリーペーパーを作るプロジェクトをしていました。

DOKKO集合写真

福おぢばプロジェクトの活動

自分の飲食店好きの趣味が高じてみんなにも知ってほしい!と、福知山グルメ情報のフリーペーパーを作って昨年度の入学式で配布しました。

今年は大学生のアルバイトの現状など、実態やリアルな声なども書いて新入生向けに作って入学式で配布したかったのですが、コロナウイルス感染症の影響で作れなかったので残念です。アルバイトに関するデータは集めたので、また時機をみて作れたらいいなと思ってます。

フリーペーパープロジェクト

大学の機関だったら、先ほど言った学生広報です。学生広報では、「広報ふくちやま」のページを作っていて、誌面に書く内容は参加している色々な活動です。広報に興味があるので、勉強しながら楽しんでやっていけたらなと思っています。市民の方と大学生が関わることはそんなに多くない中、大学生の日常や日頃の活動を知ってもらえる貴重な場でもあるので、広報誌で記事を執筆させていただけるのはとても意味があるものだと思っています。
サークルは、いまはボランティアと湯けむり同好会とアカペラサークルと料理サークルに入ってます。一番よく参加しているのは湯けむり同好会です。温泉にみんなで入りに行くサークルでしたが、昨年は兵庫県北部の新温泉町に何度か行って地域の人とイベントを行うなどしました。温泉を楽しむだけじゃなくて、温泉を楽しむ人を増やしたり、温泉を通して人と交流できたり、そんなことを新温泉町の人たちと一緒にできたのが楽しかったです。

Q.授業やゼミで印象に残っていることは?

この授業が特別良かったとか、「この回は神回!」みたいなのはなかったけど(笑)、ざっくりと「この先生の授業は好きだなあ」とかはあります。福知山に限らず北近畿で活躍している人を呼んでくれる授業は面白いし、先生も研究者だけではなく経営や行政の場での経験がある先生もいるので現場の生の声を聞ける、そういうところがすごく楽しいです。

今は新型コロナウイルス感染症の影響で遠隔授業を受けているのですが、リモートもいいなと感じています。先生に質問をするのも授業中みんなの前で手を挙げるのはしづらいけど、リモートだとコメント欄にプライベートメッセージを送ったら答えてもらえるからです。「今のはどういうことだったんですか」などと質問できたり、「これはこうだと思いました」と意見を述べたら「今こんな感想がきたんだけど、それいいね」と反応が返されたり、先生との距離がすごく近くなっていて、学びの機会を最大限に生かせるような気がしています。地域系の実習などは現地でしかできないから、全部がリモートとはいかないけど、座学の講義は今後もリモートで受けられたらいいのになと思います。
ただ、そうやってリモートになって質の上がった授業もあればそうでないものもあって、課題を一方的に送るだけになったような授業もあります。ひたすらしゃべり続けて生徒を置いて進めてしまったりする先生もいれば、生徒からの反応をうまく活用して質を上げている先生もいます。もっと先生間でも共有してくれたらいいなと思います。

Q.大学生活で印象に残っていることは?

「ふるさとワーキングホリデー」に参加したことが印象に残っています。総務省がやっているプロジェクトのひとつで、いろんな地域に2週間以上入って、働きながらその地域を知る移住政策です。大学生もよく参加していて、それを使って鳥取県の用瀬(もちがせ)というところに行ってきました。ふるさとワーキングホリデー

ふるさとワーキングホリデー<外部リンク>
大学の友人からの紹介で参加したのですが、自分がとても変わったなと思えるくらいの経験をしました。
用瀬は参勤交代の時代の宿場町だったので、外部の人を当たり前のように受け入れてくれます。鳥取の美味しいものもたくさん食べました。
鳥取環境大学の学生が民宿をやっていて、そこで2週間過ごしました。行動を起こす前に躊躇して動けなくなる私に、「とりあえずやってみる」の言葉で一歩目を軽くしてくれました。滞在中に、用瀬の人からもらった用瀬の食材を使って作ったおむすびを用瀬のイベントで販売しました。計画から食材調達、デザイン、広報など事前準備は多岐に渡ったけれど、身についたマインドを生かして未経験に臆することなくチャレンジできました。

仲良くなった鳥取環境大学の学生が福知山まで来て講演をしてくれたこともあります。困ったときや辛いときに受け入れてくれる場所が地元以外にも出来たことがすごく支えになりました。そうやって自分が帰れる場所が増える度に新しいことをするのも怖くなくなっている感じがします。

もうひとつは、東京の就活シェアハウス「そのまんま荘」に後輩と行った時のことが印象に残ってます。シェアハウス兼ゲストハウスを営んでおり、就活生は最初の数泊は無料で泊めてもらえます。入れ替わりの激しい宿泊客と愉快な住人と机を囲んで、夜が更けても将来の夢を語り合ったのは良い思い出です。普段の生活では決して交わることのない偶然の上に成り立つ夜は刺激的でした。自分にない価値観や考えと交錯する面白さを覚えました。

ふるさとワーキングホリデーまたオーナーの経験が身近で聞いたことがないほど多彩で憧れてしまうのだけど、自分たちの小さな悩みなんかにも同じ目線に立って聞いて考えてくれるのがうれしかったです。

そのまんま荘<外部リンク>

2年生の秋にふるさとワーキングホリデーで用瀬に行って、そのあと就活シェアハウスに行って、そのふたつの経験があってから自分の中ですごい意識改革があったように思います。何をするにしても今やらないと勿体ないし、「迷うんだったら一回やってみよう!」と思えるように変わりました。

Q.これからやってみたいことや将来の夢は?

いま興味を持っている広報分野の力をもっと磨いていきたいと思ってますが、そういう仕事に就けなかったとしても、自分の好きなことを発信できたり、発信することで好きな場所へ貢献ができるようになりたいです。
普通に生活していたら地元と大学と就職先の3か所しか知らないということになっていくのかもしれないけど、ふるさとワーキングホリデーで2週間、用瀬で生活してみてもっと色々なところを知りたいなと思ったので、ひとつの場所でずっと暮らしていくより転勤などで色々なところに行く選択も魅力に感じます。語学ができないと海外が選択肢に入れらなくなってしまうので、まずは英語の勉強を頑張りたいです。地方に関わるにしても日本の地方だけ見て国内からしか学べないのはものたりないです。よく耳にする人口減少や少子高齢化は日本以外でも起こっている共通の課題です。大学を卒業した後も様々な場で学んで、好きな地域を見つけて、それまでに得た経験を活かしていけたらいいなと思います。


みなさんの声を聞かせてください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?