○福知山市火災調査規程

平成2年12月28日

消防本部訓令甲第3号

消防本部

消防署

目次

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 火災の基準(第9条―第13条)

第3章 調査上の心得(第14条―第17条)

第4章 調査の体制(第18条・第19条)

第5章 調査の実施(第20条―第24条)

第6章 現場保存(第25条―第27条)

第7章 原因調査(第28条―第44条)

第8章 調査資料及び証拠(第45条―第49条)

第9章 損害調査(第50条―第54条)

第10章 調査書の作成、報告及び審査(第55条―第57条)

第11章 報告等(第58条)

第12章 雑則(第59条―第62条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章に定める火災の調査(以下「調査」という。)に際し、消防吏員(以下「調査員」という。)が守るべき心構え、実施の方法及び手続、その他調査に関する必要な事項を定めることを目的とする。

(調査の限界及び規程の運用)

第2条 調査は、法に定める事項に限り行うものであって、犯罪の捜査に関与してはならない。

2 この規程の運用にあっては、憲法の精神を尊重し、他の関係法令の規定に抵触しないように注意しなければならない。

(調査の区分及び範囲)

第3条 調査は、火災の原因調査(以下「原因調査」という。)及び火災の損害調査(以下「損害調査」という。)に区分する。

2 原因調査は、次の各号に掲げる事項について内容を明らかにするために行うものとする。

(1) 出火原因 火災発生経過及び出火箇所

(2) 延焼経路 火災の延焼経路及び延焼拡大した素因

(3) 避難状況 火災現場(以下「現場」という。)における避難者、要救助者の行動及び救助状況並びに死者の状況

(4) 消防用設備等の活用状況、その他消火活動上必要な施設の使用又は作動等の状況

3 損害調査は、次の各号に掲げる事項について内容を明らかにするために行うものとする。

(1) 焼き損害 火災によって焼けた物及び熱によって破損した物等の損害

(2) 消火損害 消火活動によって受けた水損、破損、汚損等の損害

(3) 爆発損害 爆発現象の破壊作用により受けた前2号以外の損害

(調査の主体)

第4条 調査の主体は、消防署長(以下「署長」という。)とする。

2 分署長、警防課長(以下「分署長等」という。)は、署長を補佐し、所属の調査員を指揮監督して調査の万全を期さなければならない。

3 消防長は、署長に対して、調査遂行上必要な指示を与えるものとする。

(調査結果の活用)

第5条 署長は、調査結果を分析及び検討して火災の実態を明らかにするとともに、消防行政に活用できる資料の整備に努めなければならない。

(統轄の責任)

第6条 署長は、調査員を指揮して調査を行い、警察その他の関係機関に連絡する等、調査事務全般の統轄に当たらなければならない。

(調査員の指名及び担当区分)

第7条 消防長及び署長は、調査を実施するため、それぞれ本部職員及び所属職員の中から調査員を指名するものとする。

2 消防長の指名した調査員(以下「本部調査員」という。)は、消防長が特に必要があると認めた火災について調査し、署長の指名した調査員(以下「所属調査員」という。)は、管轄担当区域の調査に当たるものとする。

3 分署長等は、調査上必要があると認めたときは、署長に対し他署の所属調査員の増強又は調査器材の貸与等を要請することができる。

4 分署長等は、調査を実施するため所属調査員及び消火に従事した消防吏員の中から主任調査員を指名し、調査に当たるものとする。

5 主任調査員以外の所属調査員及び消火に従事した消防吏員並びに分署長等が特に指名した者は、主任調査員の行う調査を補助しなければならない。

(火災の原因及び損害の決定)

第8条 署長は、収集した資料又は作成した調査書等を総合検討して科学的かつ合理的に火災の原因及び損害を決定しなければならない。

第2章 火災の基準

(火災の定義)

第9条 火災とは、人の意図に反して発生し、若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現像であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。

(火災件数)

第10条 火災の件数は、一つの出火点から拡大したもので、出火から鎮火に至るまでを1件として計上するものとする。

2 飛び火による火災が消防隊の現場引揚げ後発生した場合は、当該火災は、別件火災とする。

3 一の消防対象物の火災で、出火点が2箇所以上ある次の各号に掲げる場合は、1件として取り扱う。

(1) 同一人物又は協議して二人以上の者が行った連続行為による放火又は火遊びと推定される火災

(2) 燃焼が合流したため、焼損部分の判別が決定できない火災

(3) 原因が同一の漏電に基づく同時出火の火災

(4) 爆発、地震又は落雷による火災

(火災の種別)

第11条 火災は、次の各号に定めるところにより区分する。

(1) 建物火災 建物又はその収容物が焼損した火災をいう。

(2) 林野火災 森林、原野又は牧野が焼損した火災をいう。

(3) 車両火災 自動車車両若しくは鉄道車両及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災をいう。

(4) 船舶火災 船舶又はその積載物が焼損した火災をいう。

(5) 航空機火災 航空機又はその積載物が焼損した火災をいう。

(6) その他の火災 前各号に該当しない火災をいう。

2 火災の種別が複合する場合は、焼き損害額の大なるものをもって当該火災の種別とし、焼き損害額が同額のときは、出火箇所の属する種別とする。ただし、その態様により焼き損害の大なるものの種別によることが社会通念上適当でないと認められるときは、この限りでない。

(焼損程度の区分)

第12条 焼損の程度は、次の各号に定めるところにより棟ごとに区分する。

(1) 全焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の70パーセント以上のもの又はこれ未満であっても残存部分に補修を加えて再使用できないものをいう。

(2) 半焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント以上のもので、全焼に該当しないものをいう。

(3) 部分焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント未満のもので、ぼやに該当しないものをいう。

(4) ぼや 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の10パーセント未満であり、焼損床面積が1平方メートル未満のもの、建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の10パーセント未満であり、焼損表面積が1平方メートル未満のもの、又は収容物のみ焼損したものをいう。

(り災程度)

第13条 世帯のり災程度は、次の各号に定めるところにより区分する。

(1) 全損 建物(収容物も含む。以下半損、小損において同じ。)の火災損害額がり災前の建物の評価額の70パーセント以上のものをいう。

(2) 半損 建物の火災損害額がり災前の建物の評価額の20パーセント以上で、全損に該当しないものをいう。

(3) 小損 建物の火災損害額がり災前の建物の評価額の20パーセント未満のものをいう。

第3章 調査上の心得

(調査員の心得)

第14条 調査員は、常に社会の変せん、人心の動向に留意し、調査技術の研究及び調査に必要な諸知識の養成に努め、科学的調査の実をあげるとともに調査員相互の緊密な連絡を保ち、互いに協力してその成果高揚に努めなければならない。

(接遇)

第15条 調査員は、関係のある者(法第2条第4項に定める関係者、火元責任者、火気取扱者その他火災に関係のある者をいう。以下同じ。)に対して質問等を行うに当たっては、常に厳正かつ公正を旨とし、基本的人権を尊重するとともに不用意な言動を避け、いたずらに人心を動揺させてはならない。

(言語及び態度)

第16条 調査員は、火災の調査中言語及び態度に留意し関係のある者に対して不快の念を与えないように心がけ、調査に協力を得るようにしなければならない。

(民事不介入の原則)

第17条 調査員は、原因調査又は損害調査上必要な事項に限ることとし、みだりに関係のある者の民事問題に関与してはならない。

第4章 調査の体制

(調査の着手)

第18条 署長は、火災を覚知したときは、直ちに調査に着手しなければならない。

2 署長は、出火原因の決定上不審があるとき、又はその他報告の必要があると認める火災については、速やかに消防長に報告しなければならない。

3 署長は、前項の火災の場合であって、必要があると認めたときは、本部調査員の派遣を求めることができる。

(調査本部の設置)

第19条 消防長は、大規模特異火災の発生に際し、機能的かつ効率的な調査をするために必要があると認めるときは、関係機関と協議のうえ、調査本部を設置し、消防機関の全力をあげて調査に当たるものとする。

2 前項の調査本部において行う事項は、おおむね次のとおりとし、消防長が指揮するものとする。

(1) 火災状況の把握

(2) 調査区域の決定

(3) 関係機関との協議(情報交換)

(4) 調査方針及び進行計画の樹立決定

(5) 調査結果の検討

(6) 報道機関への情報提供

(7) その他必要事項

3 消防長は、第1項に定める火災で調査本部を設置したときは、その調査事務の主体となる者を定めるものとする。

第5章 調査の実施

(権限行使の基準)

第20条 調査の権限は公正かつ誠実に行使し、いやしくも、個人の自由及び権利を不当に侵害することのないようにし、調査上必要な限度にとどめなければならない。

(調査の立会い)

第21条 調査員は、調査に当たっては、必要に応じ関係のある場所の所有者、管理者、占有者、その他関係のある者の立会いを求めて実施し、調査事務の適正化を期さなければならない。

(警察への通報及び協力)

第22条 署長は、火災を覚知したときは、直ちに消防長に報告するとともに、警察署長に通報しなければならない。

2 調査員は、警察職員と緊密な連絡を保ち、互いに協力して相互に意思の疎通を図るようにしなければならない。

(官公署への照会)

第23条 署長は、調査について必要があるときは、火災原因調査関係事項照会書(様式第1号)により、関係のある官公署に対し、必要な事項の通報を求めることができる。

(調査記録の整理)

第24条 調査員は、火災現場その他において調査上必要と認められることを聞知したときは、その都度これを記録し、整理しておかなければならない。

第6章 現場保存

(消火活動中の保存)

第25条 消防隊の指揮者及びその他の隊員は、出火点と認められる場所及びその付近(以下「出火場所」という。)の消火活動に当たっては、細心の注意を払い、その原状の保存に努めなければならない。

(焼死者等の取扱い)

第26条 署長は、火災現場において、焼死者その他変死者があるとき、又はあると認められたときは、速やかに消防長に報告し、警察署長に通報するとともに写真、見取図、その他の方法により、現場保存に努めなければならない。

2 調査員は、前項の処置を行うときは、焼死者その他変死者に対し、礼を失しないようにしなければならない。

(鎮火後の保存)

第27条 署長は、消火活動終了後、実況見分を行うために火災現場を保存する必要があるときは、直ちに次の各号に掲げるところにより監視員を配置して、確実に現場を保存する処置を講じなければならない。ただし、調査上その必要がないと認めたときは、この限りでない。

(1) 警察官と協議して現場保存の区域を決定し、互いに協力してこれに当たること。

(2) 現場保存区域は、縄張り、張り札等でこれを表示すること。

(3) 現場保存の監視員は1名以上を配置するものとする。

2 前項の規定により監視員を命ぜられた者は、次の各号に掲げる事項を守らなければならない。

(1) 現場保存区域においては、みだりに現場の物件に手を触れ又は原状を変更しないこと。

(2) やむを得ない理由により、物件に手を触れ又は原状を変更するときは、指揮者の承認を受け消防、警察両者立会いのうえ、調査に支障をきたさないよう適当な処置を講ずること。ただし、緊急の必要があるときは、この限りでない。

(3) 現場保存区域においては、喫煙したり、たばこの吸殻、マッチのすり軸を捨てたり、その他調査に支障をきたすような行為を防止すること。

(4) 家人その他の者に対し、調査上支障をきたすような言動をしないこと。

(5) 監視勤務中に、発見又は聞知した事項及び現場の状況の変更その他必要な事項は漏れなく指揮者に報告すること。

(6) 監視員の交替は面交替とし、監視中の現場の状況、自己のとった処置、その他必要な事項を引き継ぐこと。

(7) 現場保存区域には、消防及び警察関係者以外の立入りをさせないこと。

3 第2項第4号の規定は、監視員以外の消防職員にも適用する。

第7章 原因調査

(調査の原則)

第28条 調査員は、先入的観念にとらわれることがあってはならない。

2 火災に関係ある事項及び物件について常に科学的な方法と合理的な判断により、火災の実態把握に努め、燃焼過程をたどり、発火点を求め、発火源を明らかにして、原因を究明しなければならない。

(資料の収集保全)

第29条 調査員は、調査に当たっては、火災の状況、現場付近の事象及び被害状況を綿密詳細に観察し、調査上必要な物的、人的資料を広く収集し、保全しなければならない。

(出火出動時における見分)

第30条 火災の現場に出動した消防隊の指揮者等は、出火出動時及び消火活動時の見分の状況を火災出動時における見分調書(様式第2号)に記載し、速やかに署長に提出しなければならない。

2 前項の火災出動時における見分調書は、必要に応じ出動隊員についても、速やかに署長に提出するものとする。

(現場活動報告)

第31条 火災の現場に出動し活動した消防隊は現場活動報告書(様式第3号)に活動状況を記載し、その活動状況について図面(様式第4号)を添付し署長に報告しなければならない。

(調査の方針)

第32条 調査は、物的調査及び人的調査を相関的に行わなければならない。ただし、原因の決定に当たっては、物的調査に主眼をおかなければならない。

(物的調査)

第33条 物的調査は、次の各号に掲げる事項について詳細に行わなければならない。

(1) 発火及び出火時刻の推定

(2) 気象状況

(3) 現場を中心とする付近の状況

(4) 出火前の建築物又は工作物及びその他の状況

(5) 消火活動の状況

(6) 燃焼状況

 経過

 結果

(7) 発火点及び出火点

(8) 発掘状況

(9) 発火源、経過、着火物

(実況見分調書)

第34条 調査員は、火災現場その他関係のある場所及び物件について、その実況を見分し、実況見分調書(様式第5号)にできるだけ忠実に書き表し、最も客観性のある見分調書として記載しなければならない。

2 実況見分調書には、必要に応じ図面(様式第6号)を添付しなければならない。

(写真撮影)

第35条 調査員は、火災現場において、原因決定上必要なものについて、写真撮影を行わなければならない。

2 前項の写真は、写真説明書(様式第7号)に貼付し、必要な説明を加えておかなければならない。

(質問)

第36条 署長は、法第32条第1項又は法第35条の2第1項の規定に基づき、質問する場合においては、調査員を代理人として質問させることができる。

2 質問は、火災原因の決定又は被害状況の把握のため必要がある場合に関係のある者に対して行い、その事実の確認に努めなければならない。

(質問権行使の原則)

第37条 調査員は、関係のある者又は被疑者に質問するときは、任意かつ自由な状態においてこれを行い、必要以上に迷惑を及ぼし、かつ、警察官の行う捜査に支障をきたさないよう注意しなければならない。

(少年等に対する処遇)

第38条 少年(満18歳に満たない者をいう。)、心神そう失若しくは心神耗弱の常習にある者又はこれらに準ずる者が関係する火災の調査に当たっては、それらの者の将来又は現況を考慮して温情と理解をもってこれを行わなければならない。

(通訳等の要請)

第39条 署長は、外国人等に対して質問する場合で通訳を必要とするときは、消防長に通訳等の派遣を要請することができる。

(被疑者に対する質問及び証拠物に対する調査)

第40条 法第35条の2第1項の規定に基づき、警察官に逮捕された被疑者に対し質問し、押収された証拠物の調査を行うに当たっては、質問証拠物調査申請書(様式第8号)により、当該警察署長の了解を得てこれを行い、捜査に支障のないよう注意しなければならない。

2 押収された証拠物の調査を行うに当たり、その原状を変更するおそれのある場合は、警察署長の承諾を得なければならない。

(鑑定の依頼)

第41条 署長は、収集した調査資料について、火災原因の判定上、特に必要がある場合は、学識経験者等に対して鑑定を依頼することができる。

(調査資料鑑定承諾書)

第42条 法第34条の規定により提出させた調査資料の鑑定のため、原状を変更し、又は消滅するおそれがあると認められたときは、あらかじめ関係者から調査資料鑑定承諾書(様式第9号)を徴しておかなければならない。

(質問調書)

第43条 調査員は、関係のある者又は被疑者に対し質問したときは、その申述に基づき、質問調書(様式第10号)を作成しなければならない。

(防火管理等調査書)

第44条 署長は、調査結果の消防行政への適切な反映を確保するため、必要に応じ建物の状況や防火管理の状況、火災に至る要因や死傷者の発生等の事項を調査員に調査させ、防火管理等調査書(様式第11号)を作成し、消防行政への活用に資さなければならない。

第8章 調査資料及び証拠

(資料の提出、報告及び保管)

第45条 署長は、調査上必要があると認める場合は、関係者の任意により必要な資料の提出又は報告を求めるものとし、これによりがたい場合は、法第34条の規定に基づき、資料提出命令書(様式第12号)により提出を命ずるものとする。

2 法第34条の規定により提出された調査資料を保管し、法第35条第2項に該当すると認められる資料については、特にその取扱いに注意しなければならない。

3 前項の資料には、個々に標紙(様式第13号)を添付しなければならない。

(調査資料の引渡し)

第46条 前項の調査資料で、警察署長より証拠物として引渡しの要求のあったときは、調査資料引受書(様式第14号)を徴して引き渡さなければならない。

(調査資料の返還)

第47条 返還希望の調査資料で、調査終了後保管の必要がないと認めたときは、保管物還付請求書(様式第15号)を徴し、速やかに関係者に返還しなければならない。

(調査資料処理簿)

第48条 調査資料の受け渡し、その他の処理については、調査資料処理簿(様式第16号)に記載して、これを明らかにしておかなければならない。

(火災原因判定書)

第49条 調査員は、当該火災の火災出動時における見分調書、実況見分調書及び質問調書、実験結果、鑑定結果等に基づいて出火原因延焼拡大の原因並びに人命損傷の原因について、科学技術的な判定を行い、その最終結論を火災原因判定書(様式第17号)に記載し、作成しなければならない。

第9章 損害調査

(調査の対象)

第50条 損害の調査は、火災及び消火のために受けたすべてについて行わなければならない。

(調査の種別及び内容)

第51条 調査の種別及び内容は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 火災損害調査 火災によって受けた次の損害区分による財産の調査をいう。

 焼き損害 火災の火炎、光熱等によって焼けた、こわれた、すすけた、変質したもの等の損害をいう。

 消火損害 火災の消火行為に付随して発生する水損、破損、汚損等のものの損害をいう。

 爆発損害 爆発現象の破壊作用によって発生した損害のうち、焼き損害、消火損害以外の損害をいう。

(2) 死傷者調査 火災によって生じた死者及び負傷者の調査をいう。

(3) 損害保険利用状況調査 火災によって損害を受けた不動産及び動産に対する損害保険の契約状況の調査をいう。

(り災の報告)

第52条 署長は、損害額査定のための資料として、関係者から損害の程度について報告を求めるときは、り災申告書(様式第18号及び様式第18号の2又は様式第18号の3)により提出させるものとする。

2 調査員は、前項のり災申告書が提出された場合は、当該火災現場において見分した事実に基づき、その申告内容の確認に努め、損害額査定の参考としなければならない。

(損害額の決定)

第53条 損害額は、り災申告書その他収集した確実な調査資料に従い、時価により決定しなければならない。

2 調査員は、調査又は収集した資料に基づき、当該火災によって生じた損害について、第51条第1号に掲げる損害の区分ごとに算定しなければならない。

3 損害額の算定について必要な事項は、火災報告取扱要領(消防総第393号消防庁長官通知)別表第4損害額の算出基準を準用する。

(損害調査書)

第54条 調査員は、前条により損害を調査したときは、損害調査書(様式第19号及び様式第19号の2)を作成しなければならない。

第10章 調査書の作成、報告及び審査

(火災調査書)

第55条 署長は、第18条により調査を行ったときは、火災調査書(様式第20号)を作成しなければならない。

2 署長は、前項の火災調査書を作成したときは、火災調査報告書(様式第21号)を、次の各号に定める報告期限までに消防長に報告しなければならない。

(1) 実況見分調書、鑑識見分調書が必要な火災にあっては、90日以内とする。

(2) 小規模火災、小規模特例火災で、鑑識見分調書が必要でない火災については、60日以内とする。

(3) 火災調査報告書に添付する書類の提出期限は、次の各号に掲げるとおりとする。

 火災出動時における見分調書 30日以内

 実況見分調書 40日以内

 質問調書(供述者の入院、拘束等は除く) 7日以内

 防火管理等調査書 30日以内

 損害調査書 30日以内

 死者の調査書 30日以内

 図面 30日以内

 写真 20日以内

 鑑識見分調書 30日以内

(4) 火災調査報告書が期限内に提出できない場合は、署長に対し、遅滞する理由を報告しなければならない。

3 署長は、前項により報告の完了した火災は、火災状況表処理簿(様式第22号)により整理しておかなければならない。

(審査)

第56条 消防長は、火災調査報告書を審査し、必要があるときはこれを指導し、変更し、又は再調査を指示することができる。

(添付書類)

第57条 第55条の火災調査書を作成するときは、次に掲げる書類を添付するものとする。ただし、焼きの程度が比較的少ない建物火災、林野火災、車両火災、船舶火災、航空機火災及びその他の火災については、その一部の書類を省略することができる。

(1) 火災出動時における見分調書(様式第2号)

(2) 現場活動報告書(様式第3号及び様式第4号)

(3) 実況見分調書(様式第5号)

(4) 写真説明書(様式第7号)

(5) 質問調書(様式第10号)

(6) 防火管理等調査書(様式第11号)

(7) 火災原因判定書(様式第17号)

(8) 損害調査書(様式第19号及び様式第19号の2)

(9) 文献、資料

(10) その他関係書類

第11章 報告等

(速報)

第58条 署長は、第18条により火災の調査を行ったときは、その概要について火災速報(様式第23号)により消防長に速報しなければならない。

2 消防長は、前項の火災速報のうち、次の各号に掲げる火災については、直ちに京都府へ報告しなければならない。

(1) 死者3名以上が生じた火災

(2) 死傷者10名以上が生じた火災

(3) 建物焼損延べ面積、3,000平方メートル以上の火災

(4) 損害額1億円以上の火災

(5) その他特殊な出火原因による火災、特殊な態様の火災等、消防上特に参考になる火災

第12章 雑則

(回報)

第59条 消防長又は署長は火災の原因その他調査事項について関係のある官公署から照会があったときは、その内容、目的、その他必要な理由について審査のうえ、必要事項について回報することができる。

(り災証明)

第60条 署長は、関係者から火災による動産又は不動産のり災(消火のために受けた損害を含む。)の証明について、り災証明申請書(様式第24号)をもって申請があった場合は、当該火災の調査の結果、確認した事実について、り災証明書(様式第25号)を交付することができる。

2 署長は、前項のり災証明書を交付したときは、り災証明交付記録簿(様式第26号)に記載し、交付状況を明確にしておかなければならない。

(調査結果の供述等)

第61条 署長は、官公署から調査員が職務上知り得た調査結果の供述及び意見を求められた場合は、事前に消防長に対し、承認を求めるとともに、その結果を報告しなければならない。

(施行の細目)

第62条 この規程の施行に関し必要な事項は、消防長が別に定める。

附 則

この規程は、平成3年1月1日から施行する。

附 則(平成6年12月22日消本訓令甲第1号)

この訓令は、平成7年1月1日から施行する。

附 則(平成8年3月27日消本訓令甲第2号)

(施行期日)

1 この訓令は、平成8年4月1日から施行する。

附 則(平成25年12月17日消本訓令甲第1号)

この訓令は、平成26年1月1日から施行する。

附 則(令和2年11月13日消本訓令甲第1号)

この訓令は、令和2年11月13日から施行する。

附 則(令和3年8月10日消本訓令甲第3号)

この訓令は、令和3年9月1日から施行する。

様式 略

福知山市火災調査規程

平成2年12月28日 消防本部訓令甲第3号

(令和3年9月1日施行)

体系情報
第11編 災/第2章
沿革情報
平成2年12月28日 消防本部訓令甲第3号
平成6年12月22日 消防本部訓令甲第1号
平成8年3月27日 消防本部訓令甲第2号
平成25年12月17日 消防本部訓令甲第1号
令和2年11月13日 消防本部訓令甲第1号
令和3年8月10日 消防本部訓令甲第3号